Intel Raptor Lakeの不具合でPL2は188Wがデフォルト値に。5月中に設定を反映するように要請

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Intel Raptor Lake不具合でPL2は最大188Wがデフォルト値に。5月中にBIOSと設定への反映を要請

IntelのRaptor Lakeに関する不具合では高すぎる電力設定が原因でCPUに不可逆的な劣化が生じてしまい、ゲームプレイ時に動作が不安定になったり、BSoDが発生するなど全体的にPCの動作が不安定になるという問題が発生しています。

この問題に対して各社マザーボードメーカーでは安定性を向上させるために電力設定を安全側、例えばPL2の最大値を無制限から253Wや188Wなど性能を犠牲に安定性を向上させるBIOS設定の『Intel Baseline Profile』を追加しています。

ただ、このプロフィールの設定は抜本的な解決には繋がらず、Baseline Profileを投入しても安定性に問題があるという報告もあり、Intelもこの問題自体、マザーボードメーカーの設定がIntelの推奨値を守っていなかったという声明を出すなど解決まで時間がかかりそうな様子になっていますが、Intelがこの問題の解決に向けてマザーボードメーカーに対してIntel Default Settingと呼ばれる新しいデフォルトプロファイルを追加し、それらを5月中に反映させる事を要請しているようです。

Intelはシステムインテグレーターおよびマザーボードメーカーに対して、出荷状態ではIntelの推奨設定を反映したBIOSプロフィールをデフォルトで設定することを要請しました。

  • 推奨するプロフィール:Intel Default Settings
  • Intelはすべての顧客に対してIntel Default SettingsをBIOSのデフォルト設定として2024年5月31日までに反映させる事を要請

IntelではこのIntel Default SettingsはIntelの推奨設定値を厳守し、このプロフィールの使用を強く推奨します。

Intel

問題発生前のマザーボードではZ690やZ790などハイエンドマザーボードを中心に、PL1およびPL2が253Wに設定されるケースがあり、酷い例ではともに電力無制限状態に設定されている場合もありました。これにより、Core i9-13900KやCore i9-14900Kでは非常に高いパフォーマンスを発揮できていました。しかし、今回Intelが推奨したIntel Default Settingsの詳細については、PL1がCore i9-13900KなどのTDPである125Wに設定され、ブースト時に発揮できる最大消費電力のPL2は188Wに抑えられることになります。

Core i9-13900KやCore i9-14900KではCPUの最大消費電力を示すMTPは253Wに設定されていますが、デフォルト状態では188Wに制約されることになり、実質的にCore i7-13700Kに近い性能になります。(実際にPL2が188Wに制約された状態のベンチマークでは大幅な性能低下が記録されています。)

今後、このプロフィールがデフォルトとなる場合、CPUの最大性能を発揮させたい場合はオーバークロック扱いとなり、Intelの動作保証外となるプロフィールへの適用が必要になり、標準状態の性能は大幅に落ちることになります。

ちなみに、このIntel Default Settingsが導入された後もIntel Performance ProfileではPL1が125W、PL2が253Wに設定され、Intel Extreme ProfileではPL1/PL2共に253Wに設定することが可能になるため、自己責任で適切な冷却機構が必要ですがCore i9-13900KやCore i9-14900Kの性能を活かすことができるようにはなっています。

コメント

IntelではRaptor Lakeの不具合に対するBIOS設定について大幅な性能制限を設ける方向で動いているようで、デフォルト設定で運用する場合はZ690やZ790と言ったハイエンドマザーボードそして、Core i9-13900K/14900KなどのハイエンドCPUを使う意味は無くなってしまいます。また、5月15日の発表次第ですが、Intel Default Settings以外の設定を適用した場合オーバークロック扱いとなり、保証対象外になるのかなど気になる点がありますが、仮にこの様な対応をした場合、批判は必須でIntelの今後の対応に注目です。

ソース

Intel plays with the name and the data: The “Intel Baseline Profile” becomes “Intel Default Settings” | Igor’s LABS

https://www.igorslab.de/en/intel-spielt-mit-dem-namen-und-den-daten-das-intel-baseline-profile-wird-zu-intel-default-settings

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 253Wでもやっぱりダメだったんですね。
    そりゃ半数のCPUでテスト通らないならダメに決まってるんですが。。。
    最大ターボパワーが253Wから188Wに制限されるということは、今までの定格以下の性能になるということになりますね。
    大量に新品買って検証した人も居て、問題はこれでもエラーが出るCPUがあるという点ですが、不良品がちょっと多い気がしますね。

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