Intel Core Ultra搭載ハンドヘルド機『MSI Claw』が不人気。英国は発売から1か月で25%、日本は5%値下がり
ハンドヘルド型デバイスについてはValveをはじめ、大手メーカーではASUSやLenovoなどが参入しており、搭載するCPUには強力な内蔵GPUを備えたAMD製APU、特にRyzen 7040がベースのRyzen Z1 Extremeが主流になっています。一方で、後から参入したMSIでは内蔵GPU性能が強化されたIntelの最新鋭CPUであるCore Ultra 155Hなどを搭載するなど他社との差別化を図っていますが、このMSI Clawについて性能面でASUSのROG AllyやLenovoのLegion GOに比べてグラフィックス性能が低い割に価格が高いなどの弱点が原因で、イギリスでは発売から1か月程度で25%も値下がりしてしまっているようです。
MSI ClawにはCPUの種類が2つ存在し、上位モデルは6P+8E+2LPEの合計16コア22スレッドで、Xe-Coreを8基搭載するCore Ultra 7 155H、下位モデルは4P+8E+2LPEの14コア18スレッドで、同じくXe-Coreを8基搭載するCore Ultra 5 135Hが搭載されています。
このMSI ClawについてイギリスのオンラインストアであるCurrysでは上位モデルは発売当初は£799で販売されていましたが、発売から1か月で£200、約25%値下げとなる£599で販売されているとのことです。下位モデルも£699で販売されていましたが、現在は£50、約5%値下げの£659で販売されています。
この値下げにより上位モデルが下位モデルより安いという逆転現象が起きてしまっているのですが、もしかしたら上位モデルが売れる事を見越して数量を入荷したが全く売れず在庫処分と言う形になってしまっているのかもしれません。
日本でもMSI Clawの価格は少し値下がり傾向にあり、上位のCore Ultra 7 155Hモデルは発売当初の139,800円に対して現在は135,000円で販売され、5%値下がりと言う状態になっています。一方で下位のCore Ultra 5 135Hモデルは価格が大きく落ちており、発売当初は119,800円で販売されていましたが、現在は20,000円、値下げ率で言うと約16%下がった状態で販売されています。
なお、MSI Clawの競合となるASUS ROG Allyは上位のRyzen Z1 Extreme搭載モデルは現在98,000円ほどで販売されている他、Lenovo Legion Goも106,900円ほどとMSI Clawの下位モデルよりも安く販売されています。グラフィックス性能や組み込まれているソフトウェアの面でもMSI Clawはクセが強い製品であることがレビューなどでも明らかにされているため、正直この値下げを反映しても厳しい販売状況が想定されます。
MSI Clawについては差別化も兼ねてIntel Meteor Lake系であるCore Ultra 7 155Hを最上位モデルに採用したと考えられるのですが、肝心なグラフィックス性能がRyzen Z1 Extremeに比べて低い割に価格が競合モデルよりかなり高価と言う点は大きな弱点と言えます。結局、Core Ultra 7 155HはハイエンドノートPC向けCPUであるため、価格を抑える必要があるハンドヘルド型デバイスとの相性はあまり良くないのが正直なところですね。あとMSI Clawではソフトウェア面も少々作りが雑な面もあるため、この辺りも値下げと並行して改善していく必要があります。
なお、MSIでは次世代Clawについて開発を検討していると言われていますので、製品の長所、短所を分析した上でGPU性能がより高いLunar LakeかAMDのStrix PointかStrix Haloなど搭載も期待されていますので、めげずに頑張ってほしいところです。
MSI Claw A1M Handheld Gaming Console | Currys
https://www.currys.co.uk/gaming/consoles/handheld-consoles/msi/msi-claw
コメント
コメント一覧 (1件)
少し前まではスマホを見るとMSI Clawを持ち上げるこの手のガジェット系サイトの記事が出てたけど、かなり前からZ1Extremeにも劣る性能が分かっててよく薦められるなと思って見てた。
勿論、構造とかは目を引くところもあるし、Intel信者には待望の携帯機なのだろうけど、3DSとVITAみたいに遊べるソフトに明確な差があるわけでも無いのなら、後出しで性能の劣る物を選ぶ余地は無いんですよね。
まして値段が上なら尚の事。
Z1Extremeが費用対効果であまりに優秀過ぎただけなのでしょうが、次世代もAMD製しか勝たない気もします。