MicrosoftとOpenAIがAIに特化した巨大データセンター構築を計画。数百万台のGPUを搭載し、コストは17兆円規模
MicrosoftとOpenAIではAIにオールインしており、OpenAIでは最近は動画を生成できるSoraや、15秒の音声サンプルから音声合成するVoice Engineなど次々と発表しています。ただ、AIの動作には莫大な数のGPUが必要で、Soraが普及した際にはNVIDIA Hopper H100が72万台必要になると言う試算もあります。
そのため、MicrosoftとOpenAIではGPUを数百万台搭載した『Stargate』と呼ばれるプロジェクトの検討をしており、そのデータセンターは米国に設置される予定です。
Stargateプロジェクトは現在運用されているデータセンターに対して100倍以上のコストがかかると見られており、総費用は1150億ドル、日本円で17.3兆円を超えると言われています。ちなみに、Microsoftの年間売上高が2119億ドルで純利益は723億ドルであるため、非現実的なコストではないことが伺えます。なお、金額のスケールで言うと日本の防衛費は2023年度は6.8兆円であるため、2倍を超えます。
このStargateを今後6年間かけて建設をする予定で、2026年から段階的に稼働を開始することを目指していますが、稼働するには少なくとも100万MWの電力が必要となるため、独自の原子力発電を含む代替電源の利用も検討しているようです。
Stargateに搭載されるGPUについては現時点では明らかになっていませんが、OpenAIでは独自のAIチップを構築するためにファウンドリーを作る事を計画していると言われたり、MicrosoftもAI用チップのMaia 100を開発するなどNVIDIA依存からの脱却を目指しており、実際にStargate内で使われる通信規格についてはNVIDIAのInfinitBandではなくイーサーネットケーブルを使用する事を検討しているとも言われています。
OpenAIの動画生成AIの『Sora』が普及した場合には原発1基分の電力が必要と言われており、非現実的な感じがしていましたが、MicrosoftとOpenAIはそれを現実にしてしまうような超巨大プロジェクトを開始しようとしているようで、日本とスケール感の違いを感じさせられてしまいます・・・
ただ、今後AIで勝負をしたい場合、スケールメリットを活かすしか勝ち目がないためこのStargateを予定通りMicrosoftとOpenAIが2026~28年に稼働させた場合、恐らくAI市場についてはこの2社(Microsoft)が寡占する市場になると言えそうです。
Microsoft and OpenAI Plot $100 Billion Stargate AI Supercomputer | The Information
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