Intel Arrow LakeとLunar Lakeの新情報が登場。CPU性能は大幅向上もNPU性能の向上はLunar Lakeのみに
Intelでは2024年末ごろに第二世代Core Ultraシリーズとしてデスクトップ向けと高性能ノートパソコン向けにArrow Lake、低消費電力向け製品にLunar Lakeを投入予定ですが、今回この2モデルについてリーク情報などを扱うMoore’s Law is Deadから登場しました。
まず性能についてはArrow LakeやLunar Lakeに採用されるP-CoreのLion Coveアーキテクチャーでは大幅なパフォーマンス向上が見込まれる予定で、関係者によると同等のコア構成のMeteor Lakeに対して25~35%のマルチコア性能を見積もっています。これはCPU性能ではAMDのZen 5アーキテクチャーを超える性能が期待できるレベルになっています。この性能向上の数値については特定の処理に焦点を当てたベストケースでの数値である可能性もあるため確実ではありませんが、Arrow LakeやLunar LakeではTSMC 3nmまたはIntel 20Aで製造される予定で、AMDのZen 5が製造されるTSMC 4nmに比べて新世代です。そのため、性能面でZen 5を上回る可能性は十分高いと言えます。
AI処理などに特化したNPU性能についてはMeteor Lakeは10 TOPsとなっていますが、Arrow Lakeは13 TOPsと若干向上するようですが、大幅な性能向上は期待できないとのことです。これはArrow LakeはMeteor Lakeに搭載されているSoCタイルを流用するためなのですが、一部情報ではArrow Lakeに搭載されているLP E-CoreはArrow Lakeに搭載されていないため、Meteor LakeのSoCを完全流用ではなくダイサイズなどを縮小した簡易版が搭載されるものと見られています。
ただ、Lunar LakeではNPUの新世代化が図られる見込みで、40 TOPs程度の処理性能が期待できるとのことです。これはMeteor Lakeの4倍で、QualcommのSnapdragon X Elite並みの性能でGPUと組み合わせればLunar Lake CPU全体では70 TOPs程度の性能は確保でき、2024年末に登場すると言われているAI機能満載のWindows 11 24H2にも完全対応することが可能になります。
GPU性能はArrow Lakeについてはコア数が4コアが上限になると言われていましたが、ノートパソコン向けでは最大8コアのXe Coreを内蔵するほか、アーキテクチャーもAlchemist+を採用するためMeteor Lakeを上回る性能が期待できるとのことです。
Lunar LakeでもGPUコアは最大でXe Coreを8コア搭載になりますが、GPUアーキテクチャーがBattlemageに新世代化されます。Intelではこの新世代化によってパフォーマンスを伸ばす方向ではなく電力効率向上に割り当てる見込みで、性能はMeteor Lake並みですが、消費電力は半分程度に下がる見込みです。
電力効率が非常に高いため、関係者によるとLunar Lakeはハンドヘルド型デバイスに最適で、ドライバーの最適化さえ進めば非常に競争力がある製品になりそうなのですが、GPU開発を行う部門次第なところがあり最終的にどのように転ぶかはまだわからないとのことです。
発売時期はLunar LakeとArrow Lakeのデスクトップ向けが2024年末までに登場し、2025年初頭にArrow Lakeのノートパソコン向けが投入される計画になっています。ただし、Arrow Lakeのデスクトップ向けは製造数が限られているため発売発表はするがほとんど出荷されないペーパーローンチ状態になる可能性があります。
Intelとしてはノートパソコン向け製品が稼ぎ頭でもあるため、Lunar Lakeの発売が最優先で進められているのかもしかしたらArrow Lakeのデスクトップ向けよりも先に投入される可能性もあります。ただ、この辺りは開発の進捗状況による要素が大きく多少前後します。
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