数か月間、リーク情報で出現していた無印モデルのRyzen 9 5900とRyzen 7 5800ですが、AMDより正式な発表がされました。デスクトップ向けRyzen 5000シリーズとしては初めて登場する無印モデルで、65WのTDPである一方で高いパフォーマンスを発揮するモデルになっていますが、OEM向けのみの販売となります。
AMD Ryzen 9 5900とRyzen 7 5800がOEM向けに登場
AMD Ryzen™ 9 5900 (OEM Only) | AMD
AMD Ryzen™ 7 5800 (OEM Only) | AMD
(OEM Only)と言う言葉が・・・
AMDがデスクトップ向けのRyzen 5000シリーズに新しいモデルを追加しました。それが数か月前からリークで何度か登場していた無印モデルのRyzen 9 5900とRyzen 7 5800の2モデルです。この2つのモデルはOEM向けに販売が開始されました。主にBTOパソコンなどでの搭載が想定されており、価格とTDPを65Wに抑えつつ、「X」モデルと同等のパフォーマンスが発揮できるように設計がされています。
AMD Ryzen 9 5900 12コア24スレッドCPU
AMD Ryzen 9 5900では12コア、24スレッドのCPUとなっており、ベースクロックは3.0GHz、ブーストクロックは4.7GHzで動作する仕様となっています。キャッシュ面ではL3が64MB、L2が6MBが搭載されます。このRyzen 9 5900ではTDPは105Wから40W引き下げられたTDP 65Wとなっており、その分ベースクロックがRyzen 9 5900Xに対して700MHzほど引き下げられていますが、ブーストクロックに関しては100MHzしか下がっていないため総合的な性能はRyzen 9 5900Xに対して大きくは変わらないものと見られています。
AMD Ryzen 7 5800 8コア16スレッドCPU
AMD Ryzen 7 5800では8コア、16スレッドのCPUとなっており、ベースクロックは3.4GHz、ブーストクロックは4.6GHzで動作する仕様となっています。キャッシュ面ではL3が32MB、L2が4MBが搭載されます。Ryzen 7 5800でもRyzen 9 5900と同じくTDPは105Wから65Wに引き下げられており、ベースクロックは400MHz、ブーストクロックは100MHz、Ryzen 7 5800Xに対して引き下げられています。
AMD Ryzen 7 5800は5800Xと同等の性能。シングルコア性能もPBO有効化で挽回可能 – Gaz:Log
なお、この2つの無印モデルですが、過去にリークした話ではPBOを有効にするとブーストクロックが「X」モデルと同じクロック数にまで上がり、性能面でも同等となる事が判明しています。そのため、もしBTOなどで搭載されておりBIOS設定などでPBOが有効にできれば「X」モデルとほとんど変わらない性能を手に入れられる事になります。
AMD Ryzen 5000シリーズ プロセッサーを搭載した、Alienware Auroraゲーミング デスクトップ | Dell 日本
このAMDのOEM向けRyzenを搭載したパソコンは既にBTOで販売が開始されています。AlienwareではAurora R10でRyzen 7 5800が選択可能となっています。なお、参考までにですが、Ryzen 7 5800とRyzen 7 5800Xの差額は8000円、Ryzen 9 5900とRyzen 9 5900Xとの差額は4万円となっておりRyzen 9では「X」が付く付かないでかなり大きな価格差になっています。
Ryzen 3000シリーズではリテール向けでも販売されていた無印モデルですが、Ryzen 5000シリーズでは過去に出たリーク通りOEM向けのみの販売になってしまいました。Ryzen 3000シリーズの時には多くの人が無印モデルを買い求めていたことから、Ryzen 5000ではあるモデルに需要が偏るのを防ぐための措置なのではと考えられます。
ただし、Ryzen 7 Pro 4750GなどもOEM向けと言いつつも日本ではバルク品として販売されていた事がありますので、今回も同じ様な事が起きないか微かに期待はしています。
コメント