MediaTekのDimensity 9300の性能が判明。AnTuTuでSnapdragon 8 Gen 3を上回るスコアを記録。
MediaTekについては、一般的にQualcommのSnapdragon 8シリーズよりも下位に位置するSoC(System on a Chip)という印象を持っている方も多いかもしれません。しかし、まもなく登場するMediaTekの次期フラッグシップSoC「Dimensity 9300」は、リークされたAnTuTuベンチマークの結果によれば、Snapdragon 8 Gen 3を超えるCPU性能と同等のGPU性能を持っていることが明らかになりました。
ベンチマークは未発表のVivo製のフラッグシップスマートフォンであるVivo X100でテストが行われたと言われています。このVivo X100ではDimensity 9300を搭載する他、メモリーには16GBのLPDDR5T、ストレージにはUFS 4.0対応の1TBなどかなり高スペックな端末になっています。
このVivo X100に搭載されているDimensity 9300のAntutuスコアは合計2249858ポイントを記録しており、213万ポイントを記録しているSnapdragon 8 Gen 3を5%上回るスコアを記録しています。
スコアの内訳をみていくと、CPUでは518632ポイントを記録しており、これはSnapdragon 8 Gen 3を9%も上回るスコアになっています。ここまでCPUスコアの差が開く理由としては、Snapdragon 8 Gen 3ではプライムコアであるCortex X4を1コアとP-Coreを5コア、E-Coreを2コアの合計8コアのハイブリッド構成となっています。一方でDimensity 9300ではプライムコアとして使われるCortex X4を4コアだけ搭載し、1コアを動作クロック3.25 GHzで動作させ疑似的にP-Core化、残りは2.85 GHzで動作させ、疑似的にE-Core化させると言う構成となっています。
そのため、CPU性能については非常に高いスコアを記録しています。ただこのコア構成については消費電力や発熱が懸念されていますので、スコアが高いだけでバッテリー持続時間が短い可能性があるなど注意が必要です。
GPUスコアは918790ポイントでSnapdragon 8 Gen 3の927463ポイントを1%と僅かに下回っています。この差は誤差の範囲と言え、Dimensity 9300内蔵のImmortalis G720とSnapdragon 8 Gen 3内蔵のAdreno 750 GPUは同等性能と言えそうです。
なお、Antutuの各テストスコアの中で最も大きな差が付いているのがメモリーで、上述の通りDimensity 9300ではLPDDR5Tを採用しているため、474036ポイント、LPDDR5Xを採用するSnapdragon 8 Gen 3に対して21%も高いスコアを記録していますが、これはより高速なメモリーを積んでいるためです。
冒頭で紹介した通り、今までMediaTek製SoCと言うとQualcomm製に比べると廉価と言うイメージがありましたが、Dimensity 9300ではこの印象を払拭するSoCとなりそうです。ただし、CPUにCortex X4を4コア採用するなど消費電力の面で懸念されるポイントもあるため、性能やバッテリー持続時間含めてSnapdragon 8 Gen 3に並ぶ競争力があるのかは注目ポイントとなりそうです。
MediaTekでは2023年11月6日にDimensity 9300を正式発表する予定です。
Source:Weibo
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