AMDのモバイル向けZen3アーキテクチャーを採用したCPUであるCezanneをデスクトップ向けに転用した製品がAMD Ryzen 5000Gシリーズですが、オークションサイト大手のeBayにてまだ未発表であるRyzen 3 5300Gが出品されています。
約2万円でeBayにRyzen 3 5300Gが出品中
AMD Ryzen 3 5300G “Cezanne” desktop APU spotted on eBay – VideoCardz.com
eBayに出品されているのは、AMD Ryzen 3 5300Gと呼ばれる製品で、eBayの商品概要欄では4コア8スレッドCPUと記載されています。また、CPU-ZやAIDA64 CPU-IDなどのスクリーンショットから分かる情報として、ベースとなる動作周波数は3.50GHzでブーストクロックは4.20GHz辺りになると見られています。
キャッシュ周りでは、L1I/L1Dキャッシュがそれぞれ32KB、L2キャッシュが512KB、L3キャッシュが8MBとなっています。
GPUにはVega 8を搭載しており、512のStream Processorsが内蔵されています。
CezanneベースのCPUでは8コア16スレッドでL3キャッシュが16MBとなっていましたが、Ryzen 3 5300Gでは半分に減っている事から8コアの内、4コアが無効化され、合わせてキャッシュも8MBが無効化されたCCDダイが使われていると見られています。
性能はRyzen 3 4350Gに対して約10%ほどアップ
性能面では、CPU-ZやCinebenchなどでパフォーマンスが計測されています。その結果、Ryzen 3 5300GはCPU-Zのシングルコアでは553.22pt、マルチコアでは2985.12ptを記録しています。この結果は、現行の同等モデルであるRyzen 3 4350Gに比べるとシングルコアでは10.4%、マルチコアでは7.9%向上を記録しており、性能が強化されていると言えます。
また、Cinebench R15では、Ryzen 3 5300Gは1117ptをマルチコアでは記録しており、Ryzen 3 3300Xと同等で、Ryzen 3 4350Gに対しては約17%程度、性能面で上回っています。Intelで言うとCore i3 10100が比較として表では挙げられていますが、こちらもRyzen 3 5300Gが約12%上回る結果となっています。
一般用途や軽いゲームであれば楽々扱えるだけの性能を持っているRyzen 3 5300Gですが、CPUの消費電力はベンチマーク計測時で約90W~100WとなっておりAMDの純正クーラーであっても50度以下を維持していたとの事です。
Ryzen 5000Gシリーズについては、CES 2021にて発表はされたものの具体的なラインアップについては触れられていませんでした。しかし、その発表以前からRyzen 7 5700GやRyzen 5 5600GのベンチマークやeBayへの出現などはありましたが、Ryzen 3 5300Gについては初登場となります。
そもそも、Zen3アーキテクチャーを採用したモバイル向けやデスクトップ向けでは6コアであるRyzen 5より上位のモデルしか発売されていませんでした。そのため、ローレンジ向けとしては初めてZen3アーキテクチャーを採用した製品となります。このRyzen 3 5300Gは2万円前後と言う非常に手ごろな価格で発売がされる事が予想されているため、登場すればそこそこ人気の出るCPUになるものと考えられます。
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