サーバー向けで使われたDDR4のモジュールをコンシューマー向けDDR4に移植して新品DDR4として販売され始めている模様
DDR4についてはPC市場の需要減少やDDR5への移行などにより世界的に市場価格が下落しているほか、今後はDDR5の価格低下や対応機種増加に伴い特にサーバー向けDDR4については廃棄される運命が待っています。また、DDR4を製造するメーカーも非常に低い需要と市場価格によって収益性に問題がある状態となっているのですが、DDR4メモリーを製造するサムスンやSK Hynixが役目を終えた中古のサーバー向けDDR4のメモリーモジュールを取り外し、コンシューマー向けDDR4へリサイクルを行い始めているようです。
These chips primarily come from the two major South Korean suppliers’ legacy processes and are reused in PC DRAM and consumer DRAM products after software modifications. In terms of performance, the reused chips from the Korean suppliers can reach a data rate of 3200MT/s.…
— TrendForce (@trendforce) August 1, 2023
通常、古いメモリーモジュールをリサイクルするにはハンダ付けされたDRAMをデソルダリングする必要があり、非常に手間がかかる作業であるためあまり一般的では無いのですが、DDR4については非常に低い市場価格であることから中古のDDR4を安価で調達可能である上に、最近ではDDR4を使っていたサーバーがDDR5へ移行が行われており、まだまだ使える大量の中古DDR4が存在しているようです。
そのため、TrendForceによると韓国のサムスンやSK Hynixなどはサーバー・データセンターなどから使用されなくなったDDR4などを大量に買い付けて、メモリーモジュールを取り外し、サーバー向けより低い仕様で問題が無いコンシューマー向けDDR4として供給を行っているとのことです。
これらの企業では大量の中古DDR4を安く買いたたき、上述の通り再加工をした後販売するのですが、中古品を再加工する事で仕入れ価格よりも高値で販売する事が可能になるため、DDR4の市場価格を押し下げる供給を増やす事無く、さらに差額を利用して儲けも期待できるため、非常に魅力的なビジネスモデルであると言えそうですが、今回の措置はDDR4の市場価格が低い時だけに使える裏技であるため、DDR4の市場価格が上昇する事があればこのビジネスモデルは崩壊するため長くは続かないものと考えられています。
製品の寿命については既にサーバー・データセンターで酷使されていたメモリーモジュールを利用するため新品に比べると短くなると考えられます。そのため、何かしらの限定的な保証や識別方法が設けられる事が期待されますが、コストをかけて中古のDDR4をリサイクルしている事やターゲットがコンシューマー向けである事を考えるとサムスンやSK Hynixがリサイクル品であることを分かりやすい方法で開示しないケースも十分考えられるため、確実に完全新品のDDR4を入手したい場合は価格も安いため早い内に買っておいた方が良いかもしれません。
コメント
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中古は中古で売るのが筋
新品と偽るのは詐欺
リサイクル品と明記せずに新品として売ってるなら詐欺だよね