Intel Arrow Lake-S対応のLGA1851の詳細判明。LGA1700からCPUクーラーの流用は困難に。

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Intel Arrow Lake-S用のLGA1851ソケットの詳細判明。NVMe SSDの拡張性が増える。一方でCPUクーラーのマウント圧がほぼ2倍になりLGA1700からの流用は困難に?

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Intelでは2024年下半期を目処にアーキテクチャーを一新したデスクトップ向けCPU、Arrow Lake-Sを投入予定としています。このArrow Lake-SについてはドイツのIgor’s LabからIntel内部で検討されている性能見積の資料がリークされましたが、今回このArrow Lake-Sに対応したLGA1851ソケットに関する詳細仕様を記載した資料類がリークとして出現しました。

New mounting kits needed? Socket LGA1851 in detail and the exclusive Arrow Lake S PinOut | igor´sLAB (igorslab.de)

Igor’s LABでは過去にLGA1700登場前にも同様に図面情報をリークしているため、恐らくIntelとつながりのあるサプライヤーから入手していると見られていますが、図面情報や詳細仕様については主にLGA1851ソケットの寸法や対応CPUクーラーの要件などを定めたものになっています。

増えたピンは主にNVMe SSDの拡張性に割り当てられる模様

LGA1851については名前の通りCPUとマザーボードを接続するピンが1851本存在しており、LGA1700に対して約9%多いピン本数になっています。この増えたピンについてはI/O関係、主にNVMe SSD系に割り当てられます。

LGA1700においてはCPUからNVMe SSDと直接通信ができるのはPCIe Gen 4 x4レーンのみで、PCIe Gen 5対応NVMe SSDを使おうと思うとグラフィックカードに割り当てられているPCIe Gen 5 x16レーンの内、8レーン分をNVMe SSDに割り当てる必要があり、PCIe Gen 5対応NVMe SSDと16レーンを使うグラフィックカードと同時利用はできない状態となっていました。幸い、2023年時点ではPCIe Gen 5対応のグラフィックカードはまだ発売されていませんが、将来的に登場するのは確実であるため、増えたピンをPCIe Gen 5対応のx4レーン向けに割り当てる事になります。

これにより、PCIe Gen 5対応グラフィックスカードとNVMe SSDの同時利用が可能となるようです。また、NVMe SSDの重要性がますます増えると予想しているのか、PCIe Gen 4対応のx4レーンがもう1本追加されます。これにより、Arrow Lake-SではPCIe Gen 5対応NVMe SSDが1本、PCIe Gen 4対応NVMe SSDが2本の合計3本がCPUと直接接続されるレーンでサポートされます。

CPUクーラーのマウント圧がLGA1700比でほぼ2倍に。LGA1700対応CPUクーラーの完全流用は困難に?

LGA1851ソケットの大きさは45mm x 37.55mmでピン数は増えていますがLGA1700と全く同じとなっています。また、マザーボードの表面からCPUのIHS上面までの高さもLGA1700と同じ高さに定められており、これだけ見るとLGA1700で使っていたCPUクーラーは流用できそうですが、資料に記載されている言葉を直訳すると『動的圧縮性能』、つまりCPUクーラーがかける圧力についてはLGA1700の489.5Nから923Nと89%も増加しています。そのため、CPUクーラーについてはLGA1700で使えていたものを流用しても適切に冷却できないなど不具合が発生する可能性があり、新たなマウンティングセットの使用が必要になりそうです。

なお、このマウント圧の変更については恐らくAlder Lake-SやRator Lake-SでCPUが反ると言う問題に対する対応策と見られているため、LGA1700のクーラーを使用した場合、Alder Lakeなどと同じくCPUが反ると言う不具合にも見舞われる可能性がありかもしれません。

Arrow Lake-SではMeteor Lakeから投入されるタイルアーキテクチャーを採用し、名称もCore UltraまたはCoreシリーズと言う新名称が使われると見られています。ただ、CPUのピンレイアウトがLGA1851に変更される事に伴いIntel 800シリーズマザーボードやDDR5に加え、場合によっては新しいCPUクーラーなどが必要となるため買い替える場合はかなりの投資が必要となりそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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