3nmプロセスの歩留まりでサムスンがTSMCに対して若干リード。歩留まり向上の秘訣は顧客の少なさ・・・
‘삼성 60%, TSMC 55%’ 3나노 수율 역전… 삼성 파운드리 ‘탈환’ 시동-국민일보 (kmib.co.kr)
TSMCとサムスンについては両社ともに半導体製造において業界をリードする最先端プロセスの研究開発を進めており、2023年現在の主流は4~5nmクラスの半導体製造プロセスとなっています。この4~5nmプロセスにおいては歩留りや性能と発熱面ではTSMCの半導体の方が優れており、AMDやNVIDIAをはじめ元々はサムスンの4nmを利用していたQualcommがたった半年でTSMC 4nmに移行するなどTSMCのリードが鮮明となっていました。実際に、サムスンの4nmについては2023年7月現在は改善されているとも言われていますが、2022年頃はTSMCが8割を超える歩留りを記録するなかで、サムスンの4nmは歩留り35%と言う悪い意味で驚異的な数字を叩き出すなどTSMCとの差は非常に大きく見えていました。
しかし、2024年から各社が本格的に量産を開始する3nmプロセスにおいてはサムスンが若干ながら歩留まりの面でリードを決めているようです。
TSMCの3nmについては2023年夏ごろからAppleのiPhone15やMacbookシリーズ向けにA17 BIONICやM3 SoCの製造が行われる見通しになっています。しかし、このTSMC 3nmについては量産に苦労しているようで歩留まりは55%程度と低調であることが明らかになっています。
一方で、サムスンの3nmプロセスについては韓国の国民日報が業界筋から入手した情報によると歩留りは現在60%前後を記録しており、TSMCが現在記録している55%を僅かに上回る好スタートを切っている状態となっているようです。また、韓国の投資銀行、Hi Investment & Securitiesによると歩留り35%を記録してしまっていた4nmプロセスにおいては現在は75%にまで向上させることに成功しているようです。
4nmや3nmなど苦戦していたにも関わらず急激に歩留まりの向上を達成できた方法については皮肉なことに、サムスンについては顧客が去ってしまった事で同社がウェハーのテストと良品率向上に取り組むために十分な時間が取れたためとされています。
歩留まりだけではTSMCから顧客を簡単には取れない?
2023年7月時点の歩留りで言えば、サムスンはTSMCより優れた結果を出せている状態にはなっていますが、冒頭で記載した通り4nmの時には35%と言う低い歩留りを叩き出し、性能も電力効率も大して向上していなかったなどサムスンファウンドリーについては悪い評判が目立っている状態となっています。そのため、サムスン3nmについてはAMDやQualcommなどスマートフォンやコンシューマー向け半導体企業からの受注は得られておらず、3nmの最初の顧客は暗号通過マイニングハードウェアとなっています。
ただ、AMDなどは一部のCPUをサムスンでの製造を検討しているという噂が出るなどTSMCの代わりになる企業としてサムスンは依然として注目はされています。そのため、まず最初にこれらのクライアントに信頼を与え、TSMCの代わりとして役目を果たせる事を示す事が重要と言えそうです。
サムスンと言うと韓国企業という事で日本だとあまり良い印象を持っていない人も多いですが、なんだかんだ言ってTSMCのみに先端プロセスを握られてしまうと価格競争が無くなり、1社からの供給にしか頼れないためリスクにもなってしまいます。そのため、サムスンについてはTSMC並みか半歩ぐらい遅れていても良いので半導体開発競争からは脱落しないで欲しい所ですね。
心では第3の選択肢として日本のRapidusにも期待をしたいのですが、いきなり2nmはあまりにもハードルが高すぎるのと政府も3000億円程度の支援はしていますが、桁が1つ足りないため成功は難しいと考えられます。
コメント
コメント一覧 (8件)
日本の輸出管理規制解除と符合する不思議
それだと歩留まりが上がってもそれ以上に原価が上がってしまいそうだ
TSMCに移行して価格上昇して売れなくなったGeforce40は
Samsungに戻るチャンスな気がする
なんでもいいからtsmc一強を崩してほしいわ
あとはintelのファブがどこまで巻き返せるか
競争相手が居ないと無限に調子こくからな
AMDとnbidiaはサムスン使いそうですね
これで次期GPUシリーズが多少でも安く若しくは値上がりしなければ嬉しいですが、、、
あの企業はテストを人海戦術で人手でやってるのか
赤青緑、TSMC、どこも競争相手がいないと値上げしたり進化止まりますからね。
TSMCかがシェア50%以上握ってるのはまずいと思います。