NVIDIAではここ最近はAI用途に最適なAmpere A100やHopper H100などのGPUは需要に対して供給が追いついていないと言う状況ですが、NVIDIAでは将来的にGPUの製造にTSMCのほかにIntelを加える事を検討しているようです。
Intel製のNVIDIA GPUが誕生する可能性。将来登場するGPUではIntelでの製造も検討中の模様
NVIDIAではChatGPTやMidJourneyなどAIブームの波に上手く乗ることに成功し、株価は大きく上がり、AI向けに最適なAmpere A100やHopper H100の他に、Ada Lovelace系GPUなどを搭載したRTXシリーズの売れ行きが好調と見られています。しかし、一方でNVIDIA向けにGPUを供給するTSMCではこれらのGPUを製造するTSMC 7nmや5nmのキャパシティーに限りがある事から需要に対して供給が追いついていない状況が発生しています。
そのため、Ampere A100やHopper H100などAI用途で最強の性能を発揮するGPUは納期まで6ヶ月以上待たされると言う状況になっていますが、NVIDIAではこのような供給面での制約の低減や競合によるコスト削減などを目的にIntelでのGPU製造も検討をしている事がComputex2023での質疑応答にて明らかになりました。
NVIDIAのGPUはサムスンでも製造していることを知っていると思いますが、我々はIntelでの製造についてもオープンです。Pat氏は過去にIntel 4プロセスの評価をしていると述べていますが、Intelから受け取った次世代プロセスのテストチップの出来は良好です。
NVIDIA CEO Jensen Huang
NVIDIAについては2022年ごろからIntelのファウンドリーサービスについて話をしていると見られており、次世代GPUの一部製造をIntelに担ってもらうことを検討しているようです。TSMCに関してはNVIDIA製GPUを長年製造しており信頼関係もあり、プロセス面でも最新プロセスを日程通りに安定した歩留で導入するなど技術面でも非常に高い評価を得ているといえます。一方で、TSMCの最先端技術を備える工場についてはほとんどが台湾に位置しており、中国との緊張が高まっていることから経営上のリスクの1つとして認識され始めています。また、コスト面でも最先端プロセスはTSMCの独占状態であるため、TSMCの言い値で単価などが決まる傾向にあります。
そのため、NVIDIAとしてはサプライチェーンのロバスト性を向上させるために、TSMCと同じレベルのプロセスで製造が可能なIntelファウンドリーを利用し、地政学的リスクに対処するとともに両社を競争させることで製造単価の引き下げなども目論んでいるものと見られています。
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