AMDでは2024年にかけてZen5アーキテクチャーを搭載した製品を本格的に投入を計画していますが、今回Zen5 RyzenやThreadripperの各種名称と発売時期が明らかになりました。
AMD Ryzen 8000 Granite Ridgeは2024年後半登場。ThreadripperはShimada Peakという名称で2025年に登場へ
AMDでは2024年頃からTSMC 3nmや4nmを活用してZen5アーキテクチャー搭載したCPUやAPUなど各種新製品の発売を計画していますが、今回DigitimesよりAMDの次世代製品の投入スケジュールに関する情報が登場しました。
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— 포시포시 (@harukaze5719) April 28, 2023
デスクトップ向けRyzen 8000 Granite Ridgeは2024年後半登場
デスクトップ向けであるRyzen 8000シリーズはコードネームはGranite Ridgeと命名されており、CPU側にはTSMC 4nmを採用し、I/OダイにはTSMC 6nmが採用される製品となっています。
このRyzen 8000シリーズについては「初代Zen並のアーキテクチャー刷新規模」になるとも言われており、直近ではキャッシュ構造がL2が3MBなど大容量化するなど大きく変更が加えられていることがリークとして明らかになっています。
Zen 4+RDNA 3をデスクトップでも。デスクトップ向けPhoenix APUが2023年登場。併せてCezzaneも投入
AMDではデスクトップ向けRyzen 7000シリーズに追加するラインアップとして、Zen 4+RDNA 3を搭載したPhoenix APUをデスクトップ向けにも転用するようです。
これらのAPUは2023年内にも発売が行われる予定なのですが、OEM専用APUとなるのか、一般的なコンシューマが購入できる形になるのかは不明です。
なお、Phoenix APUの他に、Zen 3+Vegaを搭載したCezzaneのデスクトップ版も併せて投入される計画となっているようです。
Zen5内蔵のRyzen Threadripper 8000は2025年登場。名称は『Shimada Peak』
AMDではZen 4内臓のThreadripper 7000(TR 7000)を2023年内に投入予定としていますが、同じ流れでZen5内臓のThreadripper 8000(TR 8000)が翌年の2025年に投入がされる計画になっています。このRyzen Threadripper 8000の名称は『Shimada Peak』と呼ばれるようで、Ryzen 8000と同じくCPUにはTSMC 4nmを、I/OダイにはTSMC 6nmが採用されます。このTR 8000ではTR 7000から投入される新ソケットに対応しているため、ユーザーは刷新され性能が大幅向上するZen5内蔵TR 8000 CPUへの乗り換えが容易にできるようになっています。
ノートPC向けAPUでは攻勢を強める。2024年にStrix系、2025年にはKrackan Point投入へ
ノートPC向けのAPUについてはAMDではサーバー・データセンター向け製品の次に狙うセグメントであることから製品ラインアップを大幅強化することが予測されています。
まず、2024年にはZen5+RDNA 3.5を内蔵したStrix系を投入予定で、PS5並のGPU性能を持つStrix Haloの他に、メインストリーム向け製品としてStrix Pointの2つが投入されます。
2025年にはStrix Pointの後継としてKrackan Pointと呼ばれる新APUも発売予定としており、2024年のStrix系はIntelのArrow LakeやLunar Lakeに、Krackan系はNova Lakeに対抗するためにこれらのCPUと同時期に発売されることが見込まれています。
なお、これらのノートPC向けAPUはすべてTSMC 4nmで製造が行われるようです。
現時点で計画されているAMDの3nm CPUはEPYC Turinのみ。原因はコスト?
Zen5アーキテクチャーについてはTSMC 3nmも視野に入れて開発が行われているとも言われており、AMDもTSMC 3nmを採用した製品の投入も計画していますが、これは2024年後半に投入されるサーバー・データセンター向けのEPYC Turin系に限られるようです。
@OneRaichu氏によると、EPYC Turinの内、Ryzen 8000などにも使われるZen5採用モデルについてはTSMC 4nmで製造が行われますが、多コア化が進められたZen5cではTSMC 3nmでの製造が行われる見通しのようです。
AMDがTSMC 3nmではなく4nmを積極的に使う背景には3nmを採用すると、5nmに対して1.25倍近いコストがかかるため、コンシューマ向け製品では価格が高くなりすぎるためと見られています。そのため、サーバー・データセンター向けなどコスト許容度が高い製品では3nmを採用し、パフォーマンスを上げつつ、コスト許容度が低いコンシューマ向けでは4nmで性能に妥協はするものの、コストパフォーマンスを重視する方針と見られています。
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