AMDでは2024年上半期までに次世代CPUアーキテクチャーであるZen5を採用するCPUの発売を計画していますが、このZen5を搭載したサーバー・データセンター向けCPU、EPYCのベンチマーク結果のリークが初めて登場、初期段階ながら既にZen4を超える高いパフォーマンスを記録しているようです。
AMD Zen5を搭載するEPYCのベンチマーク登場。初期段階で既にZen4 EPYCを10%超える性能を記録
AMDでは2024年上半期までに次世代CPUアーキテクチャーであるZen5を採用するCPUの発売を計画しています。このZen5についてはTSMC 4nmまたは3nmを採用する他、アーキテクチャー面では「初代Zen並のアーキテクチャー刷新規模」とし、IPCはZen4と比べても15~25%程度伸びるとも噂されています。
今回、そんなZen5で計測されたベンチマークの結果をMoore’s Law is Deadが入手し、その情報を共有しています。
AMD Zen 5 Cinebench Leak: Massive IPC Uplift CONFIRMED! – YouTube
Moore’s Law is Deadが入手したベンチマークはCinebench R23とWindowsタスクマネージャーのスクリーンショットの2点となっています。
WindowsのタスクマネージャーにはCPUの構成が記載されており、動作クロックはベースが2.30 GHzで動作しており、CPUには64コア128スレッドのEPYC Turinを2基搭載したデュアルソケット構成になっています。そのため、システム全体では128コア256スレッドとなっています。
タスクマネージャーをの画像ではL2は各コア1MB、L3キャッシュはCPU1基辺り32MBとZen4からの変化は見られませんが、L1キャッシュについてはZen4の64KBからZen5では25%増の80KBに増えています。Zen5についてはアーキテクチャー面で大規模に見直される他、過去のリークで『フロントエンドの拡充により命令の伝送が並行して行われるようになる』とも出ており、このL1キャッシュの改良などの事を指している可能性がありそうです。
なお、タスクマネージャーのキャッシュ容量とコア数から、各CCDに内蔵されるCPU数はZen5でも最大8コアに留まると言えそうです。
Cinebench R23のベンチマーク結果についてはZen5 EPYC Turin搭載システムでは約123,000ptを記録しているとのことです。この時の動作クロックは最大3.85 GHzとなっており既にZen4を64コア搭載するEPYC Genoaの最大3.75 GHzを超える値となっています。
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ベンチマークスコアでは1000Wの消費電力を記録した液体窒素冷却で動作クロック5.4 GHzのSapphire Rapids世代Xeon W9-3495Xを4%下回ってはいるものの、動作クロックは最大3.85 GHzと29%低く非常に高いワットパフォーマンスが期待できそうです。また、AMD製CPUとの比較では、Zen4を64コアで動作するEPYC Genoaのデュアルソケット構成より11%高速となっています。
AMDではZen5について2024年上半期までに発売を予定しているようですが、発売までまだ1年近くある中で既に現行EPYC Genoaを超える動作クロックやES品でありながら高い性能を記録している辺り、開発状況については順調と言えそうで、予定通り2024年上半期までにはZen5を採用したEPYCやRyzenの登場すると言えそうです。
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