NVIDIAのHopper H100などAI向けGPUのリードタイムが半分に短縮。GPUの売れ行きが鈍化してきている可能性も
NVIDIAでは生成AIなどを筆頭とするサーバー・データセンター向けGPUのHopper H100やAmpere A100の売上が好調で、その結果、売上高や純利益は過去最高を記録しています。特にこの中で1台あたり400万円程度するHopper H100については高い需要から注文から納品まで8ヶ月から11ヶ月という長さを記録していましたが、金融大手UBSのアナリストによると、NVIDIAのHopper H100のリードタイムが現在は3~4ヶ月と大幅短縮された事が明らかになっています。
Nvidia Stock: UBS Note Should Raise Alarms (NASDAQ:NVDA) | Seeking Alpha
このリードタイムの短縮はTSMCなどがHopper H100などの製造に必要不可欠なCoWoSパッケージングの生産能力を拡大させた事が要因である可能性があります。もし仮に生産能力の拡大が理由であれば、NVIDIAとしては多くの顧客にHopper H100など超高性能で高価格なグラフィックスカードを販売できるため、収益のさらなる拡大が可能になるほか、長い納期を理由にAMDのInstict MI300Xなどを検討していた顧客を取り戻すチャンスにもなり得ます。
ただ、リードタイムの短縮は単純に需要を先食いすることにも繋がります。NVIDIAの売上高については多くのアナリストは2026年まで成長を続けると予測はしていますが、リードタイムの短縮は売上高や純利益のピークが市場想定より早まってしまう可能性もあります。
また、NVIDIAのHopper H100については2023年末まではライバルが居ない状態でしたが、2024年にはAMDがInstict MI300を発表し、実際に一部の顧客はAMDのグラフィックスカードの導入を進めています。そのため、もしかしたら価格が高いNVIDIAのHopper H100の導入を取りやめ、AMDのInstict MI300などに切り替えたという顧客が増え始めている事がリードタイム短縮につながっている可能性もあります。そのため、NVIDIAやNVIDIAに期待する人はこのHopper H100などAI向けGPUのリードタイムについて注視氏ておいたほうがいいかもしれません。
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