2020年12月3日頃、台湾北部の桃園市に位置するMicron社の工場にて停電が発生、それから1週間後の12月10日には台湾北部が震源となるマグニチュード6.3の地震が発生しました。これによって、DRAMの供給に問題が生じ、DRAM価格へ短期的な悪影響が出る事が予測されています。
DRAM生産への悪影響は必須
Micron Says Disruptions at Fabs Will Lower DRAM Supply, Affect Prices | Tom’s Hardware
Micron社が12月4日に発表した見解では、12月3日に発生した停電では生産への影響は極めて少なく、数日以内に通常の生産体制に戻るとされていました。また、12月10日に発生した地震についても、大きな不具合等は見つかっていない事が報告されています。
しかし、Micron社の第1四半期決算の発表会にて、これらの事態に対して『設備の冗長化やクリーンルームの設備改良により大きなインパクトは免れた』としています。しかし、『これらの対策にも関わらず今回の事態では第二四半期での生産計画に影響を与え、短期的にはDRAM価格への悪影響を与える可能性が高い』との事です。
影響の度合いや規模についてはまだ不明確。一方で需要は伸びている
Micron社は第一四半期決算発表の場にて、DRAM生産への影響がある事は認めたものの、具体的にどのぐらい影響があるのかなどの詳細については発表はしていません。一方で、Micron社によるとDRAMの需要は底を打ち、上昇に転じており価格については需要の回復に伴い少しずつ上昇していくとの見解を出しています。
DRAMに必要な部材などは影響なし
PlayStation 5 や Xbox Series X、NVIDIA GeForceやAMD RadeonなどGPUを積む製品は生産に必要な部品や材料などが不足している事態が発生しています。例えば、数日前には『味の素』が供給しているABFが足りない話が出て一時的に話題となりました。
PlayStation 5とXbox Series Xが半導体大手のTSMCの製造ラインを圧迫しているという報告 – GIGAZINE
Micron社によるとGPUなどで発生しているような材料不足と言う問題は、今のところ生じていないとの事です。
また、GPUやCPUなどはDRAMとセットで必要になる部品で、それらの供給が大きく滞っているため、DRAMの需要については高いものの、供給量を越えるほどの需要には達していないとの事です。そのため、生産への悪影響や需要の上昇による価格の上昇はあるものの、入手困難なレベルになるなどと言う事態は想定されない模様です。
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