近日、発表予定とされているAMDの『Zen3』アーキテクチャを採用したサーバー向けCPUであるEPYCシリーズですが、今回、32コアを搭載するEPYC 7543がGeekbenchにて出現しました。
Zen3を採用したサーバー向けEPYC 7543
AMDのサーバー向けCPUであるEPYC 7543は第3世代EPYCに当たり、デスクトップ向けCPUで既に登場しているRyzen 5000シリーズと同様、最新の『Zen3』アーキテクチャを採用しています。これにより、IPCが大きく向上し高いシングルとマルチコア性能を発揮します。
今回出現したのは、EPYCシリーズの中でTDPが約225W程度となる中の上ぐらいのモデルになります。EPYC 7543では、8コア中、4コアが有効化されたCCDを8つ搭載し、L3キャッシュが32MBx8で合計256MB、L2キャッシュが合計で32MBとなっています。
Geekbench 4の結果は56コア Xeon Platinumを越える
EPYC 7543はシングルコアでは6065pt、マルチコアでは111379ptを記録しています。競合モデルであるIntel Xeon Platinum 8274では56コア、112スレッドとなりますが、シングルコアでは5048pt、マルチコアでは117171となっています。シングルコアではEPYCが約20%リードしており、マルチコアでは24コア(48スレッド)少ないにも関わらずXeonとの差は約5%程度に収まっています。
今回のGeekbench 4では、Intelが得意とするAVX-512命令セットが活用可能となっていますが、EPYCの高い効率に対して太刀打ちが出来ているとは言えません。『Zen3』ではワットパフォーマンス面で磨きをかけたアーキテクチャーという事もあり、サーバー向けとしてもランニングコストが下げられることから引き続きAMDの成長ドライバーになりそうです。
一方でIntelでは近々、10nmプロセスで製造されるIce Lake-SPを準備しています。このIce Lake-SPでは『Zen3』採用したEPYCに対してより高い性能や効率を発揮すべくIntelでは開発が進められていると思われます。
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