毎年、新製品が発売されるパソコンパーツ。その中で最も手軽にアップグレードができ、なおかつその効果が実感しやすいGPU。そんなGPUについて2021年に発売される予定の製品についての紹介とその登場時期と価格についてまとめました。
約1年以内に登場予定のGPUのまとめ
近々Intel/NVIDIA/AMDからリリースされると言われている数々のGPUですが、リークなどが出現するタイミングがバラバラで、途中から追うのは大変です。
そこで、どのようなGPUがいつごろ登場し、価格がいくらになるかを簡単にまとめました。
今後、四半期毎にこのようなGPUのまとめについて書いていきますので、GPUの買い替え時期や今の最新状況を追う参考にしてください。
注意点ですが、掲載されている内容はリーク情報が元になっています。そのため掲載されている内容から実際の登場時期やスペック、価格などが大きく異なる場合があります。
2021年7月更新版が出ました。
2021年7月版 | 2021年~2022年 Intel/AMD/NVIDIAのGPU発売予定と詳細
Intel製 GPU
Xeシリーズ
Intelが開発したGPUアーキテクチャが『Xe』と呼ばれています。
大きなラインアップとしては内蔵GPUやローエンド向けGPUである『Xe-LP』、ゲーミングPCなどのディスクリートGPUである『Xe-HPG』、データセンター、AI開発用の高性能モデル『Xe-HP』そして、スーパーコンピューター向けの『Xe-HPC』が存在します。
Intelは今後、この『Xe』をノートパソコン向けの内蔵GPUからデスクトップ向けのディスクリートGPUそして、データセンターやスーパーコンピューター向けに展開を予定しており2021年中に登場する予定です。
*ディスクリートGPUとはよく目にするPCIe x16に差し込むグラフィックスカードの事です。
Xe-LP (製品コードネーム:DG1)
製品のレンジ | ローエンド |
発売時期 | 2021年中頃 |
価格 | 不明 |
Xe-LPの一つで、ディスクリートGPUになると見込まれています。
2020年12月時点ではGeekbenchにてOpenCLのスコアが掲載されており、それに付随して基本的なスペックが判明しています。
判明している情報としては、『Tiger Lake』に内蔵されているGPUよりコア数が増えており、128EU=1024コア搭載され、VRAMは3GBのGDDR6を搭載する見込みとなっています。
なお、掲載されたベンチマークスコアは何らかの理由で異常に低い値となっているため性能を知る参考にはなりません。
Intelのエントリーモデル dGPU『Xe』がベンチマークに出現。 | ギャズログ | Gaz:Log
Xe-HPG(製品コードネーム:DG2)
製品のレンジ | アッパーミドル |
発売時期 | 2021年中頃 |
価格 | 不明 |
Xe-HPGでは、寡占状態であるNVIDIA GeForceとAMD Radeonに割って入る商品になります。製品のコードネームはDG2と呼ばれています。
詳細なスペックについてベンチマークなどで掲載された事はまだ無く、リーク情報を元にした話しかありません。
リーク情報によると、処理ユニット数はDG1より4倍~7.5倍ほど多い512EU(コア数4096)から960EU(コア数7680)が搭載される見込みになっています。処理ユニット数に関しては、2020年前半までは512EUと言う話が多かったものの、NVIDIAがRTX 3000シリーズを発売以降に競争力を保つために960EUに増やした事が2020年後半にリークされています。
なお、このDG2ですがNVIDIAやAMDに性能面で打ち勝つレベルの性能を狙ってはおらず、数が取れるアッパーミドルレンジを狙っているとの事です。そのため、VRAMは6GB~8GB程度に抑えられ標準的なGDDR6を搭載する見込みになっています。
デスクトップ向けIntel 『Xe-HPG』当初計画より性能を大幅向上 | ギャズログ | Gaz:Log
Xe-HP/Xe-HPC
製品のレンジ | 産業用製品 |
発売時期 | 2021年中頃 |
価格 | 不明 |
Xe-HP/Xe-HPCについては、処理ユニット1024EU(コア数8192)からなる1タイルを1~4枚搭載する事でスケーラビリティーを持つGPUになります。主なライバルはNVIDIAのA100やAMDのInstinct MI100等です。(一般消費者向け製品ではないため詳しい説明は省略します)
NVIDIA製 GPU
RTX 3000シリーズ(製品コードネーム:Ampere)
GeForce RTX 3000シリーズ の最新情報 | ギャズログ | Gaz:Log
2020年9月2日に発表されたRTX 3000シリーズですが、2021年前半にかけてラインアップの拡充が図られます。
モデル名 | NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3060 | NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3070 | NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3080 | NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3090 |
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状況 | 未発表・未発売 | 発売済み | 発売済み | 発売済み | 発売済み | 発売済み | 発売済み | 発売済み |
GPU | Ampere GA106? | Ampere GA106-300 | Ampere GA104-200 | Ampere GA104-300 | Ampere GA102-150 | Ampere GA102-200 | Ampere GA102-250 | Ampere GA102-300 |
ダイサイズ | TBC | 276mm2 | 395.2mm2 | 395.2mm2 | 395.2mm2 | 628.4mm2 | 628.4mm2 | 628.4mm2 |
CUDA コア数 | 3584 | 3584 | 4864 | 5888 | 6144 | 8704 | 10240 | 10496 |
VRAM容量・仕様 | 6 GB GDDR6? | 12 GB GDDR6 | 8 GB GDDR6 | 8 GB GDDR6 | 8 GB GDDR6X | 10 GB GDDR6X | 12 GB GDDR6X | 24 GB GDDR6X |
メモリーバス | 192-bit? | 192-bit | 256-bit | 256-bit | 320-bit | 320-bit | 384-bit | 384-bit |
帯域幅 | TBC | 360Gbps | 448 Gbps | 448 Gbps | 608 Gbps | 760 Gbps | 912 Gbps | 936 Gbps |
TGP | TBC | 170W | 200W | 220W | 290W | 320W | 350W | 350W |
価格 | TBC | $329 US | $399 US | $499 US | $599 US | $699 US | $1199 US | $1499 US |
発売時期 | 2021年中? | 2021年2月1日 | 2020年12月2日 | 2020年10月29日 | 2021年6月10日 | 2020年9月17日 | 2021年6月3日 | 2020年9月24日 |
RTX 3050/RTX 3050 Ti
製品のレンジ | ローエンド (レイトレーシング対応モデルとして) |
発売時期 | 2021年1月~4月 |
価格 | 3万円~4万円 |
RTX 3050/RTX 3050 Tiでは主に1080p解像度のゲームを中画質設定でプレイする人をターゲットとした商品になる予定です。コア数はRTX 3050 Tiが3584コアとなる予定でRTX 3060 Tiに対しては約36%コア数が少なくVRAM容量も6GBとなっています。性能が抑えられている分、価格は低くなる見込みで3万円台で購入が可能になる可能性が高いです。
RTX 3060とRTX 3050 Tiが発売される模様。一方でRTX 3060 Tiがフライング発売中。 | ギャズログ | Gaz:Log
RTX 3060
製品のレンジ | ミドルレンジ |
発売時期 | 2021年1月(発表は2021年1月12日) |
価格 | 4万円~5万円 |
RTX 3060はRTX 3060 Tiをベースとしながら、性能と価格を抑えたモデルとなっています。RTX 3060 Tiでは1440pでの環境下で最適なGPUとして謳われていましたが、RTX 3060では1440pでもプレイは出来るものの、グラフィックスの画質設定などは若干妥協する必要が出てくると考えられます。その代わり、価格は4万円台になると見られています。
RTX 3060とRTX 3050 Tiが発売される模様。一方でRTX 3060 Tiがフライング発売中。 | ギャズログ | Gaz:Log
RTX 3070 Ti
製品のレンジ | ハイエンド |
発売時期 | 2021年1月~3月 |
価格 | 7万円~8万円 |
RTX 3070 TiはRTX 3080のGPUをベースにしたモデルになる予定です。コア数はRTX 3080に対して約9%減としながらも、VRAMはGDDR6Xを採用しバス幅は320bit、容量は10GB程度になると見込まれています。非常に高性能なモデルである事は間違いがありませんが、消費電力はRTX 3080では320Wとなっていますが、RTX 3070 Tiでは250Wから280W程度になっており扱いやすくはなっています。
性能的には一般的なゲームであれば4K120fpsを余裕で動かせ、Cyberpunk2077は4KUltra設定で4K30fpsを維持できるレベルと考えられます。
ちなみに、VRAM容量に関してはリークが出現した10月末時点では10GBとなっていますが、2021年1月に登場するRTX 3060 TiがVRAMを12GB、RTX 3080 Tiが20GBを搭載するため、商品間のバランスを考えてRTX 3070 Tiでは16GB搭載となる可能性はあります。
RTX 3080ベースのRTX 3070 Tiが登場予定。Radeon RX 6800に対抗 | ギャズログ | Gaz:Log
RTX 3080 Ti
製品のレンジ | ハイエンド |
発売時期 | 2021年1月~3月 |
価格 | 10万円~11万円 |
RTX 3080 TiはRadeon RX 6900 XTに対抗すべく投入されるRTX 3090に限りなく近いモデルになります。コア数はRTX 3090と同じ、10496コアを搭載する一方でVRAM関係ではバス幅320bitのGDDR6Xを搭載しています。ただし、VRAM容量ではRTX 3080から倍増した20GBなります。消費電力はRTX 3080と同じく320Wに収まる見込みでその代わりに動作クロックは若干低めで動作する見込みとなっています。
性能面では、RTX 3090と同じコア数である事からCyberpunk2077を4KUltraで45fps程度で動作できると考えられます。
RTX 3080 Tiが2021年1月に登場か。コア数とVRAM容量が大幅アップ | ギャズログ | Gaz:Log
RTX 4000シリーズ(製品コードネーム:Ada Lovelace)
製品のレンジ | ミドル~ハイエンド |
発売時期 | 2021年10月~2022年3月 |
価格 | 5万円~25万円 |
2021年秋から2022年冬にかけて発売が見込まれるモデルです。製造プロセスはRTX 3000シリーズの8nmから5nmにまで微細化が進む予定です。
過去に出現したリーク情報ではRTX 4000シリーズのコードネームは『Hopper』となり、AMD Ryzen CPUのように複数のダイを組み合わせてGPUを作る『マルチ・チップ・モジュール(MCM)』を搭載する予定となっていましたが、2020年12月に出現したリーク情報によると、2021年に登場するGPUは『Ada Lovelace』と呼ばれる製品が投入される可能性が指摘されています。
NVIDIA to Introduce an Architecture Named After Ada Lovelace, Hopper Delayed? | TechPowerUp
RTX 4000 シリーズの情報出現。ADA LOVELACEは18432コア搭載 | ギャズログ | Gaz:Log
AMD製 GPU
Radeon RX 6000シリーズ(製品コードネーム:Navi2x)
2020年10月28日に発表されたRadeon RX 6000シリーズ。現時点ではハイエンドモデルであるRadeon RX 6900 XT及びRadeon RX 6800 XT/ RX 6800の3モデルですが、2021年初頭にかけてローからミドルレンジモデルラインアップの拡充が図られます。
モデル名 | Radeon RX 6700 | Radeon RX 6700 XT | Radeon RX 6800 | Radeon RX 6800 XT | Radeon RX 6900 XT |
状況 | 未発表・未発売 | 未発表・未発売 | 発売済み | 発売済み | 発売済み |
GPU | Navi 22 (XL?) | Navi 22 (XT?) | Navi 21 XL | Navi 21 XT | Navi 21 XTX |
CU数 | TBA | 40 | 60 | 72 | 80 |
Stream Processors数 | TBA | 2560 | 3840 | 4608 | 5120 |
動作クロック | TBA | TBA | 1815 MHz | 2015 MHz | 2015 MHz |
ブーストクロック | TBA | TBA | 2105 MHz | 2250 MHz | 2250 MHz |
VRAM容量・仕様 | 12 GB GDDR6 | 12 GB GDDR6 | 16 GB GDDR6 +128 MB Infinity Cache | 16 GB GDDR6 +128 MB Infinity Cache | 16 GB GDDR6 +128 MB Infinity Cache |
メモリーバス | 192-bit | 192-bit | 256-bit | 256-bit | 256-bit |
メモリー速度 | 14 Gbps? | 16 Gbps? | 16 Gbps | 16 Gbps | 16 Gbps |
帯域幅 | 320 GB/s | 384 GB/s | 512 GB/s | 512 GB/s | 512 GB/s |
TGP | TBA | TBA | 250W | 300W | 300W |
価格 | TBA | TBA | $579 US | $649 US | $999 US |
発売時期 | 2021年 1月~3月 |
2021年 1月~3月 |
2020年11月18日 | 2020年11月18日 | 2020年12月8日 |
Radeon RX 6700 XT / Radeon RX 6700 (製品コードネーム:Navi 22)
製品のレンジ | アッパーミドル |
発売時期 | 2021年1月~3月 |
価格 | RX 6700XT:7万円~8万円 RX 6700 :6万円~7万円 |
Radeon RX 6000シリーズのアッパーミドルレンジ製品となるのが、Radeon RX 6700 XTおよびRadeon RX 6700です。
性能に直結するCU数(処理ユニット数)はRadeon RX 6900 XTの半分に当たる40CUをRX 6700 XTは搭載し、XT、非XT共にVRAMは12GBのGDDR6を搭載する見込みになっています。ゲームなどでのパフォーマンス面においてはXT、非XT共にほとんどのゲームを4K60fps以上での動作が可能と考えられます。ただし、Cyberpunk2077のような非常に負荷の高いゲームでは4Kでのプレイ自体厳しいと考えられます。
消費電力の面ではRX 6700 XTでは最大211W、RX 6700の方では最大156Wに抑えられているためRX 6700の方は扱いやすいGPUになっています。
また、Radeon RX6000シリーズの特徴でもある動作クロックの高さは健在で最大で2.95GHzまでオーバークロックが可能と見られています。
AMD Radeon 6700 XTのブーストは最大2.95GHz。カスタムモデル | ギャズログ | Gaz:Log
Radeon RX 6000のスペックが浮上。Navi22は40CU搭載し12GB | ギャズログ | Gaz:Log
Radeon RX 6600 (製品コードネーム:Navi 23)
製品のレンジ | ミドルレンジ |
発売時期 | 2021年1月~3月 |
価格 | 4万円~6万円 |
Radeon RX 6600については、現時点で詳細についてはモバイル向けのRX 6600Mの情報しか存在していません。
ただし、モバイル向けでもTGPが90Wに及ぶ機種がラインアップされているため、デスクトップ向けバージョンが用意される可能性は高いです。
性能面では32CUを搭載すると見込まれており、1440pまでであれば最新ゲームでも十分プレイ可能と考えられます。
以上が2020年12月末時点で判明している2021年に登場予定のGPUについてです。
未だに2020年10月に発売されたRTX 3080などは世界的に品薄ですが、2021年にかけて品薄は解消され新製品の投入などが進むものと考えられます。
冒頭でも書きましたが、今後はこのようなまとめ記事を四半期毎に掲載していきます。もしGPUの買い替え時期に迷っていたり、今の最新状況が追えなくなった際には覗きに来てください。
コメント
コメント一覧 (1件)
数か月後にはGTX1660シリーズの後継機がGTX3050シリーズになるのかな?
それとも4000シリーズが神コスパで登場するのかな?
この時、誰も未来を知る由はなかった。。。