Intelでは2023年頃にCPU側にはIntelの7nmプロセス、GPU側にはTSMC 3nmで製造される第14世代CPUであるMeteor Lakeを発売予定としていましたが、どうやら発売が2023年末以降に遅れる可能性が出てきているようです。
2023に登場予定だった?Meteor Lakeシリーズ
Meteor LakeについてはIntelから2022年に登場するRaptor Lakeの後継モデルにあたる第14世代CPUとなっており、2023年頃の発売をIntelでは予定しています。
このMeteor Lakeでは内蔵GPUが大幅に強化される事やチップレット化(Intelはタイルと呼称)するなど最新技術が投入されますが、CPU側もAlder Lakeから採用されているハイブリッドアーキテクチャーを引き続き採用しますが、P-CoreとE-Coreをそれぞれ新アーキテクチャーに刷新し、更にモバイル向けCPUとしてバッテリー持続時間を延ばすべくE-Coreを更に低省電力化したCPUが追加されたハイブリッドアーキテクチャーとなるようです。
今回はそんなMeteor LakeについてIntel側が当初計画していた2023年に間に合うのか微妙な状況になりつつあるようです。
GPUタイルの生産開始は2023年末。発売は2024年にずれ込む?
Meteor LakeではCPUやGPUが各自タイル化され、CPU側はIntel製、GPU側はTSMC 3nmプロセスで製造が行われる計画となっていますが、TrendForceの調査によるとIntelでは当初TSMCに対して2022年下半期までに生産が開始できるように準備を進める計画だったようです。
しかし、当初の計画より遅延が発生し、2023年上半期に予定がされていましたが、最新の情報によると2023年末まで生産が延期される見通しとのことです。
この原因は前回と同じく設計上の問題のようで、Intelでは2023年にTSMCと契約していた量産向けのキャパシティーを返上し、一部のエンジニアサンプル製造用に振り替えたと見られています。
なお、IntelはではTSMC 3nmので2023年内に製造できるキャパシティーのほとんどを確保していたようで、これらがキャンセルされる事による穴埋め先は無い様でTSMCでは2023年に予定している収益の一部が確保できず、設備投資を若干遅らせて対外支出を減らす措置に出る可能性があるようです。
Intelは火消しに。一方で実績から遅れはあり得る
TrendForceが出したレポートに対してIntelではすぐさまMeteor Lakeは予定通り2023年には発売される予定で、設計や製造はスケジュール通りに行われていると広報部は各メディアに対して発表を行っているようです。
TrendForce’s Intel Meteor Lake report seems to have caught the company’s attention. Intel’s PR firm sent out an unsolicited note this afternoon reiterating that Meteor Lake will be delivered in 2023, and manufacturing remains on schedule
— Ryan Smith (@RyanSmithAT) August 4, 2022
ただ、Intelはここ最近製品を予定通り出せておらず、Intelのサーバー向け製品のSapphire Rapidsは2021年Q4に投入予定だったものが、2023年Q1に、ディスクリートGPUのArc Alchemistは2021年Q4から2022年Q3など自社製造、外部ファウンドリー製造問わず、主力製品の投入遅延が起きている状況にあります。
実際に、IntelのCEO、Pat氏も決算発表の場で『我々は仕事を思い通り遂行出来ていない』と新製品の遅れに関してコメントをしており今回のMeteor Lakeの遅れもIntelの最近の動向を見る限り可能性として高いと言えそうです。
IntelのMeteor LakeではCPUの強化もありますが、どちらかと言うとGPU側が大きく強化される見込みで、AMDのZen 4 CPUとRDNA3を組み合わせてグラフィックス性能を大幅に上げる予定のRyzen 7000シリーズやデスクトップ向けに関してはZen 5を搭載するRyzen 8000シリーズにも対抗するために導入が予定されています。
Intelでは最近、企業収益に大きな影響を与えるような製品の投入遅延が続いており、デスクトップやラップトップ向けの主力となるMeteor Lakeまで遅れるとなると株主からは非難の嵐に晒される事は確実と言えそうです。
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