AMD Zen4対応ソケットAM5はDDR5のみ対応、X670チップセットはMCM化

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AMDでは2022年下半期に発売されるZen4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズを発売しますが、このRyzen 7000シリーズに対応するマザーボードについてDDR5のみ対応する事やハイエンドモデルのチップセットに関する情報が出現しました。

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Zen4 Ryzen 7000シリーズとソケットAM5

AMDでは2022年1月に開催されたCES2022にて5nmプロセスを採用したZen4アーキテクチャーを搭載のRyzen 7000シリーズを2022年下半期中に発売する事を発表しています。このRyzen 7000では最新規格でもあるPCIe Gen 5.0への対応やメインメモリにはDDR5などに更新され、CPUソケットが従来までのソケットAM4からソケットAM5に刷新される事が既に明らかになっています。

そんな、Zen4 Ryzen 7000シリーズですが、対応するCPUソケットである『ソケットAM5』のメインメモリーについてやZen4 Ryzen 7000シリーズに対応するチップセットである600シリーズチップセットに関するリークが出現しました。

ソケットAM5はDDR5のみ対応

AMDが発売するZen4搭載のRyzen 7000シリーズではCPUソケットが2016年9月以来変更となり、ソケットAM4からソケットAM5へ刷新が行われます。このソケットAM5へ変更が行われる事でPCIe Gen 5.0やDDR5メモリーなど最新規格にも対応が可能になりますが、この中でDDR5メモリーについては供給状況や価格面で一部消費者からはあまり好まれていない状況があり、先行してDDR5に対応したIntelのAlder Lake CPUでもDDR5対応マザーボードがある中で、多くのメーカーがDDR4対応マザーボードを投入している状態になっています。

そんなDDR5についてですが、Ryzen 7000シリーズと共に登場するソケットAM5についてはDDR5のみ対応する事がソケットAM5に関する詳細が記載された資料で明らかになっています。

ソケットAM5に関する情報は、2021年夏ごろにGIGABYTEがハッキングされた時に254ページの資料が流出していますが、この資料についてドイツのテック系情報サイトのComputerbaseが「DDR4」と言う単語で検索を掛けたところ、ヒットが0件だったのに対して、DDR5については76個ヒットがあったとの事です。

また、ソケットAM5の対応インターフェイスなどが記載された資料においても、メモリーの項目ではDDR5 UDIMMやDDR5 SODIMMに関する記載はあるものの、DDR4に関する記載は無くソケットAM5のRyzen 7000シリーズに対応するマザーボードであるX670やB650はもちろんの事、エントリーモデルのA620についてもDDR4へのサポートは行われないと見られています。

なお、DDR5についてはこの記事に詳しく書かれています。

AMD独自のDDR5用のオーバークロック機能が搭載。名称はEXPO

AMD preparing EXPO (EXtended Profiles for Overclocking) for Ryzen 7000 DDR5 memory overclocking – VideoCardz.com

ソケットAM5ではDDR5にしか対応しない事が濃厚となっていますが、AMDではDDR5のパフォーマンスを更に上げるために新しいオーバークロック機能である『AMD EXPO』と呼ばれる機能を準備しているようです。このEXPOとはEXtended Profiles for Overclockingの意味で、オーバークロック用のプロフィールを2つ備えられる機能となっています。このプロフィールの内、1つは高い帯域幅を利用する用途向けに最適化され、2つ目は低いレイテンシーになるように設定されるとの事で、低レイテンシー設定については必ずプロフィールが存在する必要は無いとの事です。

Ryzen 7000シリーズ対応のX670マザーボードのチップセットはMCM化する模様

AMDではCPUではRyzen、GPUではInstinct MI200シリーズで複数のダイを搭載するMulti Chip Moduleを採用していますが、この流れはRyzen 7000シリーズ対応のソケットAM5マザーボードにも反映されるようです。

台湾の新聞社、中国時報によるとAMDのマザーボード用チップセットを製造するASMediaはRyzen 7000シリーズに対応する600シリーズマザーボード用のチップセットを供給する予定で、そのチップセットはTSMC 6nmで製造されるとの事です。また、このチップセットについてはミドルレンジマザーボードであるB650については1つ、ハイエンドマザーボードであるX670においては2つ搭載されるとの事です。

B650マザーボードについてはRyzen 7000シリーズとチップセットはPCIe Gen 4 x4で接続され、PCIe Gen 4.0についてはNVMe SSD用のPCIe Gen 4.0レーンがx4、残りx4がPCIe拡張用の計8レーンが用意され、4つのSATAポートと複数のUSBポートに対応するとの事です。

一方で、B650マザーボードに搭載されているチップセットを2つ搭載するX670マザーボードについてはB650の2倍のPCIe Gen 4レーンが用意される見込みで、PCIe Gen 4は合計16レーン、SATAポートは8つと非常に高い拡張性を持つマザーボードとなる見込みです。なお、CPU側のPCIe Gen 5 x20(GPU x16 + NVMe x4)と併せるとX670マザーボードでは最大で合計36レーンものPCIeスロットを持つ事となりHEDT向けとしても対応が可能な拡張性になっています。

なお、マザーボードのチップセットをMCM化する理由としてはRyzen CPUと同じようにコストダウンと見られており、500シリーズマザーボードではX570とB550で別のチップセットを設計、製造していましたが、600シリーズマザーボードでは1つのチップセットを作り、X670とB650はチップセットの数だけで調整する事で量産効果や歩留りの向上、つまりコストダウンが実現できると見られています。なおそのコストダウンが最終的にマザーボードの価格に反映されるかは不明です。

DDR5については供給面ではほとんど心配がないレベルにまで落ち着いては居るものの、価格については依然としてDDR5はDDR4の2倍以上の価格で販売がされており、Ryzen 7000シリーズが発売される2022年秋頃でも大きく変わる見込みは無いです。ただ、Ryzen 7000シリーズについてはRyzen 5000シリーズの時の様にハイエンドモデルが中心に登場すると見られているため、DDR5のみ対応による販売数低下などは無いと考えられます。

一方でDDR4はエントリーモデルにおいては必須の規格で恐らく2023年頃まではこの流れが続くと考えられますがRyzen 7000シリーズでDDR4対応をしないという事は少なくともエントリーモデルなどの発売が2022年や2023年の早い段階で行われる事はほぼ無いと言えそうです。

この流れで行くとIntelではRyzen 7000シリーズと同時期に登場するRaptor Lake-Sにおいても一部エントリー向けマザーボードでDDR4に対応すると見られているため、コンシューマー向けCPUのシェアについては2023年もIntelが優勢の状況となりそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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