AMDがRyzen 5 9600XとRyzen 7 9700XのTDPを65Wから105Wに変更へ。性能への批判が集まったため前代未聞の対応を行う。
AMDは、デスクトップ向けにZen 5アーキテクチャーを搭載するRyzen 9000シリーズのミドルレンジモデルであるRyzen 5 9600XとRyzen 7 9700Xを2024年8月8日に発売しました。しかし、発売前日に公開された各レビューでは、特にゲーミング性能が先代のRyzen 7000シリーズに対してほとんど向上していないとの評価を受け、あまり良い評判を得られていませんでした。
この主な原因は、Ryzen 5 9600XとRyzen 7 9700XのTDPが先代モデルの105Wから65Wに大きく引き下げられたことや、デフォルトで有効化されていたPBO(Precision Boost Overdrive)が無効化されたことです。これにより、消費電力の低減やワットパフォーマンスは向上したものの、性能が抑えられる結果となり、多くのレビューで「先代モデルとほとんど性能差がない」と指摘されています。
これに対し、AMDはこの性能に対する批判に応える形で、Ryzen 5 9600XとRyzen 7 9700XのTDPをAGESA BIOSアップデートを通じて65Wから105Wに変更するという、前例のない対応を計画していることが明らかになりました。
AMD will increase Ryzen 5 9600X and Ryzen 7 9700X TDP from 65W to 105W, with AGESA 1.2.0.1a Patch A.
— chi11eddog (@g01d3nm4ng0) August 14, 2024
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AMDのRyzen 9000シリーズにおいて、Ryzen 7 9700XのTDPが当初の65Wから120Wに引き上げられるとの話がありましたが、リーカーのchi11eddog氏によると、AGESA 1.2.0.1a Patch Aで、Ryzen 5 9600XとRyzen 7 9700XのTDPが65Wから105Wに変更されることが確認されています。
この新しいTDPがBIOS上でどのように設定されるのかは不明ですが、このAGESA BIOSを適用すると、デフォルトのTDPが強制的に105Wに設定されると考えられます。ただし、発売時は65Wに設定されていたため、65Wでの動作を希望するユーザーは、BIOS設定でTDPを65Wに戻す必要があるかもしれません。
TDPが65Wから105Wに変更されることで、ブースト時の最大消費電力であるPPTも88Wから142Wに引き上げられ、発売前のレビューよりも性能が向上する可能性があります。しかし、大幅な性能向上が期待できるわけではなく、Ryzen 7 9700Xのレビューでは、PBOを有効にして最大170Wで動作させた場合でも、ゲーミング性能の向上は1%未満にとどまっています。幸い、レンダリングなどの負荷の高いタスクでは定格より10%、Ryzen 7700Xに対しては15%程度の性能向上が見られると予想され、Ryzen 7000シリーズに対して性能差がほとんどないという評価を覆すことができるかもしれません。しかし、Ryzen 5 9600XやRyzen 7 9700Xのターゲット層であるゲーミング用途では、あまり効果がなく、ゲーミング用途のユーザーはRyzen 9000X3DやIntel Arrow Lake-Sの登場を待つことが求められるかもしれません。
AMDのRyzen 5 9600XとRyzen 7 9700Xは、消費電力の低減が魅力的ではあるものの、性能が先代モデルに対してほとんど向上していない点が海外レビューを中心に指摘されています。一部のレビューでは「コスパ最悪」「ゲーミング性能は劣悪」といった厳しい評価も見受けられます。そのため、今回のTDPを65Wから105Wに変更する対応策が取られたと考えられます。
ただし、TDPを65Wから105Wに変更したところで、ゲーミング時にはPPTまでCPUが動いていないため、性能が大きく変わるわけではありません。レンダリング性能が向上しても、このCPUを購入する層の多くはゲーミング性能を重視しているため、TDPの変更はインフルエンサーに話題を提供する材料に過ぎず、AMDにとってはメリットが少ない変更と言えます。
さらに、消費者との信頼関係という観点からも、発売後にTDPなどの性能に関連するスペックを変更することは好ましくありません。性能に対する評判を覆したいのであれば、新たなSKUを発売するなどの方法を取らない限り消費者に「AMDは後からスペックを変えないか?」と疑念を抱かせる可能性があり、今回の対応は前例がないだけでなく、非常に悪い例として記憶されると言えます。(AMDもIntelも何なんだ・・・)
chi11eddog | X (Twitter)
コメント
コメント一覧 (4件)
性能を引き出して美味しい部分が隠れてたから勿体ない気はしてたけど、前作と同じTDPにするのね
IntelとAMDどっちかのCPUが性能劣ってると勝ってる方が努力せずこんな感じになるのはよく見た
リーカーのchi11eddog氏がイイ加減なことを書き散らしている可能性が高いのではないかと愚考します。Kaz様がコメントの中で仰っている通りで、もしも本当に斯様な措置を行った場合AMDにとってデメリットの方がかなりデカイでしょう。この情報はガセネタではないか、に一票です。
そもそもがの話、
FHD以外でリフレッシュレート60Hz以上のディスプレイ持ってる奴なんて極小数。
そこまでのゲーミング性能をCPUに求めた所で他PCパーツがボトルネックになってる奴の方が大半だろうよ。
ベンチ厨の話なんざマトモに受け止めてたらIntelの二の舞になるだけぞ。
どんなにPC構成が素晴らしくて4KでDLSS使ってDLAAで120fps出たとしても、ディスプレイのリフレッシュレートが60Hzなら120fpsなんてただの指標でしかない。
ディスプレイ1台にそれだけの資金が用意出来る輩がTDP75wの7900xの選択肢なんてないだろうし、9950xか9950x3d迄待つかの選択肢しかない。で、ゲームパフォーマンス云々なら発売前から7800x3dの方がゲーミング性能は上ってのは言われていたし、ゲーム用途ならx3dってAMD側も認識して販売しているのに文句言ってるのは生粋のintel信者か只のベンチ厨って結論。