MicrosoftがWindows 11の最新アップデートでCopilot統合を取りやめ。相当不評だった?
Microsoftは2023年末にCopilot in Windowsを発表し、Copilot経由で何かを検索したり、Windowsの設定を変更するなどの機能をWindows 11へ導入しました。ただ、この機能を導入するためにはWindows 11へCopilotを統合する必要があり、最近までのWindowsでは画面右下やスタートメニューの隣にCopilotボタンが鎮座していたほか、新しいPCにはCopilot専用キーが導入されるなど、MicrosoftのWindows含めた全製品の主力機能に位置づける動きを見せていました。
しかし、2024年6月末に公開されたWindows 11 23H2向けアップデートのKB5039302アップデートにて、Windows 11へのCopilot統合が解除され、単なるアプリとして動作するようになるなど、大幅な機能後退が見られることが明らかになりました。
このアップデートによりCopilot経由でPCの設定を変更することは不可能となり、Bing経由でアクセスするCopilotと何ら変わらないレベルにまで格下げされることになっています。
MicrosoftがこのようにCopilotの機能を変更する理由として『新機能の投入や最適化の速度を上げるため』としていますが、今回の統合取りやめにより新機能が追加されたりといった変更はなく、単なる言い訳に過ぎないという見方が海外メディアから指摘されています。
CopilotのWindows 11への統合取りやめは2024年5月3日に公開されたWindows 11 Insider Preview Buildから出現し、このプレビュー版公開時のリリースノートには『ユーザーからのフィードバックに基づきCopilotでの体験を洗練する必要があるため』と記載されていたことから、Copilotをはじめて投入してから今に至るまでユーザーからの評判はあまり芳しくなかったことが伺えます。また、このCopilotはサーバー経由で処理されるため、Microsoftにとっても利益を生まない割にコストがかかるという見方もあったかもしれません。
ただ、Microsoftが旧来のCopilotのWindows 11への統合を取りやめる反面、Snapdragon X搭載PCからローカルでAI処理するCopilot+を導入しています。このCopilot+ではチャット形式でWindowsを操作すると言うよりは、AI機能を用いて多機能化するもので、ユーザーの操作を記憶し、あいまい検索を可能にするRecall*、Windows Studioエフェクト、ライブキャプション、AutoSRなどの機能が導入されるなど、ユーザーの利便性向上が図られているほか、Microsoft側からしてもローカルでAI処理されるためコストがかからないため、今後MicrosoftはCopilotをコンシューマ向け製品ではローカルでAI処理できるものだけに絞り込み、大量のリソースが必要なチャットボット形式のCopilotは徐々にフェードアウトさせていく方針であると言えるでしょう。
*Recallは発表されたものの、プライバシーへの懸念から導入が取りやめられています。
Windows 11に導入されたCopilotはChatGPTとあまり変わりない割に、Microsoftがユーザーに対して無理やり推し出す姿勢が強すぎたため、不評を買っていた側面があります。そのため、Copilotがアプリ化されるなど目立たなくなるのは、多くのユーザーにとっては嬉しい変更と言えるでしょう。
今後MicrosoftがCopilotをどのように扱うかは不明ですが、ユーザーから不評な上、サーバーを経由するなどMicrosoftにとってもコストがかかるため、メリットがほとんどありません。そのため、現行のテキストベースで指示するCopilotは徐々にフェードアウトしていき、Copilot+などローカル処理で完結するものにシフトするのは自然な流れでしょう。
Microsoft makes Copilot less useful on new Copilot Plus PCs | The Verge
https://www.theverge.com/2024/6/21/24182979/microsoft-copilot-key-keyboard-shortcut-pwa
Microsoft pumps the brakes on Copilot AI to refine its experiences in Windows 11 based on what users ‘ACTUALLY’ want | Windows Central
コメント
コメント一覧 (2件)
コパイロットは無料で提供したくないからじゃないでしょうかね。
AIにリソース割かれるとゲーミング性能落ちそうだし、使いたい人はアプリ選択制で良いなと思った通りになった