Windows 11 25H2 はドライバー品質が向上? 要件が厳格化
MicrosoftではWindows 11 24H2での不具合多発などの反省からなのか2025年秋に登場するWindows 11 25H2では主に動作安定性に焦点を当てた小規模なアップデートになることが明らかにされています。そして今回、OS本体だけでなく、PCの安定性を左右するドライバーの品質向上を目指し、24H2で導入された品質要件をさらに厳格化する方針であることが明らかになりました。
今回厳格化の中心になるのがMicrosoftが2019年に買収したSemmle社の静的コード解析ツールである『CodeQL』の採用です。Microsoftのサポート資料によるとWindows 11 25H2でカーネルモードドライバーのOS認証(WHQL)を受けるにはCodeQLで静的コード解析を用いたスキャンが必須になり、スキャン結果で発見されたバッファオーバフロや未検証の入力といった深刻な不具合はMust-Fixに分類されるエラーは修正が義務付けられるとのことです。
この要件を満たさない限り、ドライバーはWHQL認証を取得できず、結果としてWindows Updateを通じた提供や互換性リストへの掲載が行われない仕組みとなります。
この変更は主に開発者やOEMメーカー向けでエンドユーザーにはあまり影響がない変更に見えますが、ドライバに対してこのようなツール解析など複数の検証を加えることでWindows Update後に突然発生するブルースクリーンや予期せぬ不具合が発生する確率を減らす効果が期待できます。
ただ、現時点ではCodeQLによるスキャンが義務付けられるのはカーネルドライバーに限られます。USB接続デバイスなどのユーザーモードドライバーや、多くのユーザーにとって関心の高いグラフィックスカード用ドライバーは依然として任意となっているため、改善の余地は残されています。今後、対象となるドライバーの種類が拡大していくのか、Microsoftの動向に注目が集まります。
Announcing Updated Static Analysis Requirement for Windows Driver Certification | Windows Developer Blog
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