AMDのリークされたロードマップ上にはZen 2アーキテクチャーCPUとRDNA2アーキテクチャーのGPUを組み合わせたAPUであるVan Goghが現れていましたが、その詳細についてリーク情報が出現しました。
PlayStation 5と同じ組み合わせ。Zen 2+RDNA2を組み合わせたモバイル向けAPU
AMD Van Gogh APUs To Bring The Power of RDNA 2 In Ultra-Low Power Ryzen Notebooks (wccftech.com)
過去に出現したAMD製CPUのロードマップを示した画像では、モバイル向けCPUとして2021年にCezanne(Ryzen 5000H/U)がリリースされましたが、Van Goghと呼ばれるCPUも2021年にリリース予定とされています。今回、GPUやCPU関連リークを取り扱うMoore’s Law is DeadにこのVan Goghの詳細について情報が出現しました。
APUは小型でグラフィックスはCezzane以上の性能
Moor’s Law is Deadによると、このVan Goghは1つのダイにCPU、GPU、I/Oインターフェースすべてが含められたAPUとなっており、TSMCの7nmを使ってCPUとGPUは製造されるようです。各詳細は以下のようになっています。
CPUは4コアのZen 2アーキテクチャーを採用
CPU側はZen 2 Renoirのものが採用されており、非常にコンパクトな設計になっているとのことです。一方で、Zen 2である事やサイズが非常に小さい事からキャッシュ類の容量は大きく無いとの事です。
GPU側はRDNA2アーキテクチャー採用
GPU側はRDNA2アーキテクチャーを採用したものになっており、CU数は画像では4~16基となっていますが、8基である可能性が高い事が追加情報で判明しています。CUが8基はCezanneのVega 8と同じ構成となっていますが、アーキテクチャーが最新である事から同じクロックでの動作であれば20~30%程度性能は高いと見られています。ただし、Van GoghではTDPが15W以内になると見込まれており、クロック周波数もそれに伴って抑え気味になるため実際の性能はCezanneを若干超える程度に収まるとの事です。
メモリーはLPDDR5でFF3ソケットを採用
メインメモリーについては過去に出現したロードマップの通り、LPDDR5が採用される見込みですがこのLPDDR5はグラフィックス性能の向上などパフォーマンス面よりはより電力効率の面で採用がされているようです。また、ソケットに関してはFF3と呼ばれる低電力向けソケットが採用される見込みで、IntelのTiger Lake-Uと競合する消費電力であるTDP15W前後になると見られています。
最近は内蔵グラフィックス性能が向上した事で、GPD WIN3のようなUMPCでも最新のゲームを高画質にプレイできるようになっていますが、このRyzen Van GoghもこのようなUMPCにはピッタリな製品になるのではないかと思います。仕様面ではTDP15W以内のため構成はPlayStation5と同じでも性能面では大きく下がりますが、1920×1080が大方を占めるモバイルPCやUMPCで性能を発揮するには十分な性能と考えられます。なお、RDNA2を採用するAPUはこのVan Goghが初めてになるので、IntelのIris Xeを採用するTiger Lake-Uと比較するとどの程度の性能差があるのか気になる所です。
コメント
コメント一覧 (1件)
AMDのリソースを考えると厳しいのでしょうが、Zen2はご存じの通り優秀なアーキなので、Zen3とは分化して省電力~バリュー向けラインに独自進化して欲しいです。何やかんやで、ARM勢やAtomラインに相当する小型コアは今後必要になってくるので、Zen2の性能レベルで省電力化出来れば最低限喰らいつくレベルの競争力は維持できるでしょう。