アメリカ政府がNVIDIAの中国向け脱法グラボ開発を批判。作ればすぐに規制する構え

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NVIDIAが次々と作る中国向け脱法グラボにアメリカ政府がキレる。法律の厳格化などを米国務省長官がさらなる規制を示唆

アメリカ政府は中国がNVIDIAなどが開発する最先端グラフィックカードなどを利用してアメリカの国防上脅威となり得る生成AIの開発や武器開発などを阻止するためにNVIDIA製の高性能グラフィックカードであるAmpere A100やHopper H100の中国向け輸出を2022年から規制しました。しかし、NVIDIAは中国市場で高いシェアを持っている事を背景にこの規制から逃れるために性能を制限したAmpere A800やHopper H800を投入し、中国のBaidu、テンセント、Bytedanceなどが大量に購入したと言われています。ただ、アメリカはこの規制逃れ対策として2023年11月からさらに要件を強化し、Ampre A800やHopper H800の他にコンシューマー向けグラフィックスカードのGeForce RTX 4090までも輸出規制の対象に入りましたが、再びNVIDIAが規制を逃れるグラフィックカードの開発を行うなどいたちごっこが続いている状況になっています。

NVIDAの中国向けAI GPUの発売が延期。収益に大きな痛手になる可能性

NVIDIAが中国向け輸出規制に準拠したGeForce RTX 4090『D』の投入を2024年に発売へ

ただ、NVIDIAの度重なる脱法グラボ開発の動きに対してアメリカの国務長官ジーナ・レイモンドは半導体製品の輸出規制の強化とNVIDIAを批判するコメントをアメリカの国防状況などを話し合うレーガン国防フォーラムで出しました。

Raimondo Says Commerce Needs More Money to Halt China Chip Drive – BNN Bloomberg

We cannot let China get these chips. Period. We’re going to deny them our most cutting-edge technology. I have a $200 million budget. That’s like the cost of a few fighter jets.

Come on, If we’re serious, let’s go fund this operation like it needs to be funded.

–  US Commerce Secretary Gina Raimondo

レイモンド氏は中国がアメリカ企業が開発する最先端半導体製品の入手を断固として阻止すべきとの事で更なる予算追加が必要とアピールしています。に明確にNVIDIAとは明言していないものの、NVIDIAの最近の動きを批判するコメントもしています。

I know there are CEOs of chip companies in this audience who were a little cranky with me when I did that because you’re losing revenue, Such is life. Protecting our national security matters more than short-term revenue.

–  US Commerce Secretary Gina Raimondo

また、規制強化に対して自社の収益を失うからと批判的なCEOがこの会合に居るとNVIDIAのCEOであるジェンセン・ファン氏を示唆する言葉と共に、短期的な収益よりも、我が国の安全保障を守る事が重要である。と強い言葉でNVIDIAを批判しています。

If you redesign a chip around a particular cut line that enables them to do AI, I’m going to control it the very next day,

–  US Commerce Secretary Gina Raimondo

さらにNVIDIAがここ最新の輸出規制を回避するためにL20やH20シリーズやGeForce RTX 4090 Dなど脱法グラフィックカードの開発を行う姿勢について「もし規制逃れのために新しいGPUを作り、それがAI開発などを可能にするのであれば次の日には規制を掛ける」とNVIDIAが対策をすれば更なる対策を講じる姿勢であることを明らかにしました。

ここで批判されているNVIDIAの他に、AMDやIntelなどアメリカの主要な半導体企業の多くは中国で多くのシェアを持っていると共に高い収益も上げられています。しかし、アメリカ政府は中国にAI技術が渡るのを強く懸念しており今後もこの規制が強化される見込みである事は明白になったと言えそうです。

特にNVIDIAではここ最近の生成AIブームにより過去に類を見ない様な利益を上げていますが、この原動力は生成AI向けに重宝されている高性能なグラフィックカードです。また、このグラフィックカードを多く仕入れているのが中国になります。そのため、NVIDIAとしては収益を失うため可能な限り中国での販売を続けたいのが本音と言えますが、アメリカに拠点を置く企業であるため恐らくこれ以上横着な真似は出来ないのが正直な所かもしれません。

NVIDIAは最新の規制から逃れるために準備していたNVIDIA L20やH20については本来であれば2023年末までに中国で販売開始される予定でしたが『技術的な課題』により最新の情報では2024年頃発売に延期されています。もしかしたら、これは技術的な課題ではなく当局者との調整などにより投入が延期されている可能性がありそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 中国以外も買う国は普通にあるだろうけど
    スケール感が違いすぎてもうそこしか見えてないのかなw

    こっち(ゲーマー)向いてくれても良いんだよ?革ジャン…

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