AMD Zen 5 Strix Pointのベンチマークが登場。Ryzen 7 7800X3Dを上回る性能を記録
AMDでは2024年6月に開催されるComputex 2024でZen 5アーキテクチャーを発表し、この中でノートPC向けにZen 5とRDNA 3+を搭載するStrix Point APUについても詳細が明らかにされると見られています。今回、そんなStrix Point APUの最上位モデルのRyzen AI 9 HX 170と見られるAPUのBlenderベンチマークの結果が明らかになりました。
AMD Ryzen AI 9 HX 170はCPU側は高性能コアとして動作するZen5を4コア、高効率コアとして動作するZen5cを8コアの合計12コアで構成されるAPUで、キャッシュはL2は各コアに1MBで合計12MB、L3はZen5側に16MB、Zen5c側に8MBの合計24MB搭載する仕様になっています。今回のベンチマークには関係ありませんが、内蔵GPUにはRDNA3+アーキテクチャーで構成されるCompute Unitを合計16コア搭載しています。
ベンチマークでは『AMD Engineering Sample 100-000000994-38』と言うモデル名で登録されていますが、このモデルはStrix Pointの12コアモデルのES品を示しており、これはStrix Point最上位モデルのRyzen AI 9 HX 170のものだと見られています。
ベンチマーク結果は270.92ポイントを獲得しています。
このスコアはデスクトップ向けCPUのRyzen 7 7800X3Dの266.77ポイントを1.6%上回り、Ryzen 9 3900XやRyzen 7 7700Xをも僅差で超えるスコアを記録するなどノートPC向けAPUとしては非常に高い性能を記録しています。また、近い性能のCPUとしてIntel Core i7-12700Fも1%差しかなく、TDPが120Wを超えるデスクトップ向け並みの性能をTDP 54Wに設定されているAPUで実現するなど電力効率も非常に優れた性能である可能性があります。
このStrix Point APUは2024年6月に開催されるComputex 2024で詳細発表が計画されていますが、現時点ではCPUは上述の通り最大12コア、GPUは16コアでに加えIntel Core Ultra 100シリーズでアピールされていたAI性能も強化される予定になっています。AI性能はAI処理を担うコアがXDNA2に刷新され、最大45TOPsの性能を発揮すると言われています。このAI性能はWindows 11 24H2から導入されるローカルで動作するCopilotやAI Explorerも動作可能な処理性能になっています。
Strix Pointに搭載されるZen 5のIPCはZen 4に対して10%程度の伸びしか見られないという情報もある一方で、Zenシリーズ最大の刷新規模になるとも言われています。今回のベンチマークはES品かつ少ないサンプルの1つに過ぎませんが、TDPが最大54WしかないノートPC向けAPUがTDP 120WのCPUと張り合えているところを見ると少なくとも電力効率に関してはStrix Pointはかなり高いと言え、期待が持てそうな状況です。
ただ、Strix PointはCPU性能より内蔵GPUが売りでもあり、注目を集めているポイントでもありますので、この辺りも発表が近づけば何かしら情報が出てくると思うので期待して待ちたいところです。
Blender Open Data | Blender
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