AMD Strix HaloのCPUベンチマークが初登場。CPUはデスクトップ向けと同じものを内蔵へ
AMDは、2024年7月末にZen 5とRDNA3+を組み合わせた『Strix Point』APUの投入を予定しています。これに対して、AMDはGPUコアを増やし、グラフィックス性能を大幅に高めた『Strix Halo』APUを2025年1月以降に投入する予定です。
今回は、そのStrix Haloと見られるCPUベンチマークの結果が初めて登場し、性能や一部仕様が明らかになりました。
AMDのStrix Haloは、ノートPC向けとして初めてチップセットを採用するモデルで、最上位モデルでは2基のCCDを搭載することで8コアx2の16コア構成になります。内蔵GPUには最大40基のCompute Unit、32MBのInfinity Cache、そしてバス幅256-bitのLPDDR5X-8000 MT/s対応のメモリーコントローラーを備えています。さらに、XDNA2で設計されたNPUにより最大60 TOPsのAI処理性能を持ち、これらすべてを使用してもTDPは55~130Wの範囲に収まると言われています。そのため、ゲーミングノートPCではディスクリートGPUが不要になり、コスト低減と筐体の薄型化が可能になるとされています。
この高性能APUであるStrix Haloのベンチマークは、Geekbench 5のデータベースに登録されており、HP製ノートPCにLinuxを搭載した状態で計測が行われました。
Geekbench 5に登録されたCPUは8コアモデルで、L3キャッシュ容量が32MBであることから、CCDは1基のみ搭載していると考えられます。動作クロックはベースが5.36 GHzと記載されており、これはStrix Pointの最大5.1 GHzを上回っています。これはデスクトップ向けCPUをベースにしているため、ブーストクロックを5.8 GHzまで高められたモデルが投入される可能性もあります。
8コアモデルのStrix Haloはシングルコアで2099ポイント、マルチコアで13993ポイントを記録しています。
シングルコア性能はデスクトップ向けのRyzen 9 7950XをノートPC向けに転用したRyzen 9 7945HXと同等のスコアを示しており、デスクトップ向けCPUのCore i7-13700Kに近いスコアです。
マルチコア性能はノートPC向けのRyzen 9 9045HSに対して13%優れており、デスクトップ向けのRyzen 7 7700やRyzen 7 7700Xと同等のパフォーマンスを発揮しています。
なお、今回のStrix HaloはES品であり、今後さらに性能が上がる余地がある中で比較的高いベンチマーク結果を示しているため、今後登場する製品版に近い状態で計測されるベンチマークでは、デスクトップ向けのRyzen 9000シリーズにも迫るパフォーマンスが期待されます。
Strix Haloの投入は2024年末から2025年と言われているため、今回登場したものは初期段階のES品と思われます。しかし、それでもCPU性能は比較的高いため、ノートPC向けAPUでありながら、CPU性能はRyzen 9000シリーズの下位モデルに迫る可能性があります。また、今回ES品が登場したことで、Strix Haloで最も注目されるグラフィックス性能についても近いうちに明らかになると期待されます。
AMD Eng Sample: 100-000001422-31_N | Geekbench 5
コメント
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これのポータブルゲーミングPC欲しいな