Snapdragon X Elite搭載Surface Laptop 6のベンチマーク登場。性能は不正疑惑があるQualcomm発表値に迫る?
QualcommはSnapdragon X Eliteを発表しましたが、その際に提示されたベンチマーク結果について一部OEMからは同等レベルの性能は実現できないと言う証言が出ており、不正を行った可能性が指摘されています。
そんなSnapdragon X Eliteを搭載したMicrosoftのSurface Laptop 6のGeekbench 6ベンチマークが登場したのですが、このスコアはQualcommが示したスコアにかなり近いことが明らかになっています。
Qualcommでは4月24日の発表会で、最上位モデルであるSnapdragon X Elite X1E-84-100はGeekbench 6で15,610ポイントを記録したとしています。今回登場したSurface Laptop 6に搭載されるCPUは1つ下のモデルであるSnapdragon X Elite X1E-80-100というモデルで、最上位モデルに対して動作クロックが3.8 GHzから3.4 GHzに、ブーストクロックは4.2 GHzから4.0 GHzに下げられたモデルになります。
スコアはシングルコアが2714ポイント、マルチコアが14078ポイントを記録しており、Qualcommが発表した値に対して9割近いスコアを1つ下のモデルで実現しています。
現行のSurface Laptop 6ではTDP 28W、ブースト時は115Wで動作するCore Ultra 7 165Hが搭載されているため、今回登場したSurface Laptop 6に搭載されているSnapdragon X Eliteもこれらに近いTDPで動作していると考えられます。
なお、MicrosoftではSurface Laptop 6含むSnapdragon X Elite搭載Surfaceについて2024年5月に発表イベントを開催すると言われており、ここでは各メディアによるハンズオンも行われます。そのため、Qualcommの言う通りの性能がSnapdragon X Eliteで出せるのかなど別の意味でも注目を集めそうです。
今回ベンチマークで登場したSurface Laptop 6のIntel CPU版ではTDPが最大115Wで動作するCore Ultra 7 165Hを搭載しているため、Snapdragon X Elite自体もTDPが80Wで動作している可能性があります。
仮にこのTDPで動作しているのであればApple M3を上回る性能であるのは当然であると同時に、ARM CPUで求められる省電力性能を犠牲にしているため商品製としてIntel CPUを搭載するモデルに対して優位性があまりないことになります。この点はまだ第三者によるベンチマークがないので何とも言えませんが、盛り上がって来たARM版Windowsに水を指す結果にならないか不安になりますね。
OEMBR OEMBR Product Name MFG | Geekbench 6
コメント
コメント一覧 (1件)
個人的には興味深いです。
予想ですが「確かにx86系よりはバッテリ持つけど、期待していたほどじゃない」になると考えています。
ARM系が理論上x86系よりも省電力なのは同意しますが、Apple Mシリーズのせいで過大評価になっていると感じます。Mシリーズは、(現状)最先端プロセスを1番手で使える、ソフト・ハードの互換性の制約が他ハードより緩い(言い換えるとある程度ソフト・ハードの互換性を犠牲にしている)、OS開発元の純正プロセッサ、という利点があり、これをもってARM全般を語るのはちょっと違うかな、と思いますね。