Snapdragon X搭載ノートPCの供給は少なめ。売れ行きも微妙な感じに?
Qualcommでは2024年6月18日にSnapdragon Xを搭載するノートPCを一斉に発売しましたが、発売後に各量販店経由からの情報によると、同チップセットを搭載するノートPCの供給量や販売状況について明らかになりました。
Moore’s Law is Deadが海外の大手量販店関係者から入手した情報によると、同チップセットを搭載するノートPCはメディアからの期待値は高いものの、一般消費者からの期待値はあまり高くないようで1つ目のソースの大手家電量販店では発売日に展示機は置かれず、週末になり展示が開始されたようです。また、発売日に客からの問い合わせなども一切なく、販売台数もほとんど売れていない状況とのことです。
2つ目のソースも大手家電量販店関係者からの情報ですが、ソース1と同様に展示機を週末まで配置しなかったのですが、このお店ではそもそも入荷数が非常に少ないとのことで、7月以降にならないと大部分の製品は入らない計画になっているとのことです。ただ、特にそれでも問題がないぐらい販売状況としては悪く、数台も売れていないようです。
Qualcomm製チップセットを搭載するノートPCを製造するメーカー関係者によると、まだ販売状況を判断するには早すぎるとしているものの、販売状況がQualcommの想定に届いていないという噂が聞こえており、年内に人員編成を大きく変えるなど状況が芳しくないことが明らかになっています。
QualcommのSnapdragon XはノートPCと親和性が高い低消費電力CPUのArmを活用しているため、バッテリー持続時間の延長の他に高性能NPUを搭載することでCopilot+にも対応しています。ただ、搭載ノートPCの多くが20万円を超えるハイエンドモデル中心にラインアップされているため、ライトユーザーが購入する可能性はかなり低いです。一方で、ハイエンドモデルを購入するような層は依然としてx64系CPU、特にこれから登場するAMDのRyzen AI 300シリーズやIntel Lunar Lake、Arrow Lakeを搭載した製品の発売を待っている状況であるため売れにくいと言えそうです。
そのため、今後Snapdragon X搭載ノートPCが売れるためには20万円を下回るミドルレンジモデルの層を増やすなど搭載製品の商品ラインナップを変更するなどが必要になると言えそうです。
QulacommのSnapdragon Xシリーズでは性能の高さや低消費電力製、AI対応が売りにはなっていますが、一般的な消費者が20万円に迫るか上回るようなノートPCに手を出すことはなかなかない一方で、ヘビーユーザーに関してはCopilot+などの機能はオマケ程度として捉えており、x64系CPUを搭載した製品で特に不満がない状況と言えます。そのため、現状のラインアップで高い販売台数を記録するのはやや無理があるというのが正直な所です。今後、Qualcommもこれらを課題に感じ、2024年終わりにかけて販売価格が比較的安いノートPCへの搭載も各社OEMに働きかけていくと考えられますが、チップセットの価格自体も安くはないため15万円前後が限度と言えそうです。
そのため、大本命は2025年終わりまでに登場が噂されているエントリー向けSnapdragon Xですが、それまで1年以上あるためそれまでQualcommは少々厳しい戦いを強いられそうです。
Zen 5 Strix Supply Leak: AMD’s shipping TONS of AI 9 Laptops! | Moore’s Law is Dead Youtube
コメント
コメント一覧 (5件)
この記事も含め、今後の廉価版が本命だ、みたいな意見がありますが、当方は強い疑問を感じます。
現時点の個人的意見は「結局Windows on ARMには、言われていたほどの強みがない」というものです。
当方が確認の限り、言われていたほどのバッテリ持ちの優位は現状感じられません。
「確かに優位なのだろうけど、この程度ならLunar Lake辺りで挽回出来そう」という印象です。
結局、業界のメディアも私達も「デバイスの省電力化に本当に大切な要因は何か?」ということが分かっていなかったのではないかと思います。
Qualcommは今の内に一般ユーザーの選択肢に入ってくるようにしておかないと、
来年にはIntel、AMDも出揃うし、SoC組で最大のライバルであるMediaTekも参入してくるうえに、
さらにNVIDIA等の半導体別枠組もWin用Armプロセッサ投入してくるみたいだから、
何もできずにすぐ追い出されてしまうかも?
QcomのArmCPUはx86やx64CPUでは無いためWindows上ではエミュレータによる互換動作である為従来のアプリを動かすには非常に非力で遅く、動かないアプリも多数存在すると考えられ、Windowsでの普及は難しいでしょう。特定のベンチマークだけでは最適化されてる可能性がありあまり意味を成さない可能性があります。故にMediatekやnVdiaのWindows用ArmCPUはまだ数年は競争力の無い製品になると考えてます
今後、マイクロソフトはWindowsをx86から
Armベースに切り替えるのではないんでしょうか?
X86が消えるって話は昔からちょくちょく出てますが未だになくなりません
今は延長?のX64になってますね。スパコンっての?あれもほぼX64だもんね
ArmのいいところってコストかなとノートPCは10万ぐらいかなと思ってたが
20万だもんね一般的な考えと乖離しすぎなきがする。多分最終的にX64系は
Armのいいところも吸収していくような気がします。