Snapdragon X EliteのPassmark結果が登場も、GPU性能は少々期待外れなスコアに
Qualcommが2023年末に発表し、2024年6月18日に搭載PCが一斉発売されたSnapdragon XシリーズについてはWindows on Arm対応デバイスとして高いパフォーマンスが期待されているチップセットになっています。
そんなSnapdragon Xシリーズについて発売から既に1週間が経過したことから、最上位モデルとなるSnapdragon X Elite X1E-84-100のPassmarkベンチマークの結果に登録されその性能が明らかになっていますが、CPUに関してはそこそこな性能を発揮するもののGPU性能は少々残念な結果になっているようです。
CPU性能は発表資料通りApple M2と肩を並べる性能に
Passmarkに登録されているSnapdragon Xシリーズ最上位モデルのSnapdragon X Elite X1E-84-100は12コアのNuviaコアを内蔵し、動作クロックは3.80~4.2 GHzで動作するTDP28~80WのCPUになっています。
Passmarkに記録されているシングルコアスコアは3895ポイント、マルチコアは23518ポイントを記録しています。
シングルコアに関しては、近い性能のCPUはRyzen 9 7940HSやCore i7-13700HXなどノートPC向けとしてはハイエンドの分類に入るCPUと肩を並べており、そこそこ高い性能を発揮していると言えます。また、過去に発表資料で記載されていた通り、AppleのM2とも同等レベルの性能を発揮しているなど良好なパフォーマンスを発揮しています。
マルチコアでも同様で、Core Ultra 5 135Hに近い性能を発揮し、AppleのM2 Proに対しては7%上回るなど総合的なCPUパフォーマンスに関してはQualcommが過去に発表していたプレゼンテーション資料に近い結果になっているなど期待値通りの性能を発揮しています。
GPU性能はAMDのVega世代のAPU『Ryzen 5 5500GT』並みと低め
Snapdragon Xシリーズでは内蔵GPUの性能についてもAMDのRadeon 780Mを内蔵するRyzen 9 7940HSに対して同じ消費電力であれば80%高性能で、ピークパフォーマンスは80%低い消費電力で実現すると2023年10月の発表会で明らかにしていました。
しかし、PassmarkのGPUベンチマークにおいては2759ポイントのスコアを記録しており、同等のスコアはVegaアーキテクチャーを内蔵するRyzen 5 5500GTなどになっています。このスコアはRyzen 9 7940HSに内蔵されているRadeon 780Mの7090ポイントに対して61%劣る性能になるなどQualcommが公表したスコアに対して大きく劣る結果になっています。
Qualcommが2023年10月に公表したRyzen 9 7940HSとの比較は3DMark Wild Life Extremeをベースにしたスコアであり、Passmarkとはワークロードが異なっている点は注意が必要ですが、GPU性能については他の独立したレビューを注視する必要があるかもしれません。
Snapdragon XについてはCPU性能はQualcommの発表通りかなり高く、大きな弱点は露になっていない状況ですが、GPU側については一部ゲームは快適に動くものの根本的な性能自体はあまり高くない可能性があり、Passmarkの結果ではかなり悲惨なスコアを叩き出しています。今後、AMDのRyzen AI 300シリーズなど内蔵GPU性能に焦点を当てた製品が競合からは登場するため、このグラフィクス性能についてはかなり痛手になりそうですが、今後の最適化で挽回できるのか注目です。
CPU Benchmarks – Single Thread Performance | Passmark
https://www.cpubenchmark.net/singleThread.html#laptop-thread
Snapdragon X Elite – X1E84100 – Qualcomm Adreno GPU | Passmark
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