Snapdragon XシリーズはIntel Raptor Lake系に比べてコストは半分。バッテリーの2倍の持続時間に
QualcommのSnapdragon X EliteおよびSnapdragon X Plusを搭載したノートPCは2024年6月以降に発売されると見られていますが、同プロセッサを搭載予定のDell XPSの内部資料(ツーリングもろもろの報告資料)が流出し、その中でSnapdragon Xの部品コストやバッテリー持続時間などと言った情報が明らかになりました。
DellでSnapdragon Xシリーズを搭載するのはTributoQCと言うコードネームが付けられていますが、これはXPSシリーズとしてラインアップされます。プロセッサの組み合わせは10コアを搭載するSnapdragon X Plus(X1P-64-100)と12コアで最大4.0 GHzで動作するSnapdragon X Elite (X1E-80-100)の2つが選択可能で、16GB、32GB、そして12コアモデルのみ64GBのメモリーが搭載できます。
このTributo QCのコスト一覧表によると、現行XPSに搭載されているIntel Core i7-1360Pは部品コストが24年3月時点では$293.00かかっているのですが、Snapdragon X Plusの場合は$145.00とほぼ半分の供給価格であることが明らかにされています。これは下位のSnapdragon X Plusであるため、価格が抑えられている可能性もありますが、多めに見積もっても$250が上限で、Core i7-1360Pに対してコストは非常に安いです。
Snapdragon XシリーズはArm系であることから電力効率に優れていると言われていますが、この辺りはリークなどでもあまり出てきていませんでしたが、Dell内部でのテストによるとローカルでのビデオ再生はCore i7-1360Pは最長15.45時間でしたが、Snapdragon X Plusでは最長29時間と2倍近い数字に、またNetflitの動画視聴も前者は12.63時間の一方で、後者は20.4時間とこちらも1.5倍を超えるバッテリー持続時間を記録しています。
このSnapdragon X PlusおよびSnapdragon X Eliteを搭載したXPSは2024年6月発売予定で、狭縁ディスプレイに加えFHDまたはQHDの液晶または2.8Kのタンデム式OLEDの選択が可能など非常に高性能なモデルになっています。価格はAppleのM2 MacBook Airと同じ$1199をターゲットにしているため、日本では15万円前後で販売されるものと見られています。
QualcommのSnapdragon XシリーズはTSMC 4nmで製造されていることもあり製造コストは驚くほど高くはなく、Core i7-1360Pより安いなどコスト面での競争力がかなりありそうです。ただ、現時点ではDell含め、多くのOEMがSnapdragon Xをプレミアムモデルに搭載しているため、10万円を大きく超えるモデルが多いです。これは恐らくチップセットの供給状況やブランディングなどもありハイエンド中心にラインアップされているものと考えられます。しかし、少しすればミドルレンジモデルにもSnapdragon X Plusなどが拡大されると考えられるため、そうなれば日常作業なら不自由なく使える性能に加え、x64系では考えられない長いバッテリー持続時間も相まって人気が出そうな予感です。
2023.0817.b TQC – Plan Phase Exit – Final 8-11-23 – LPR Approved | SCRIBD
https://www.scribd.com/document/706718228/2023-0817-b-TQC-Plan-Phase-Exit-final-8-11-23-LPR-Approved
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