Snapdragon 8 Gen 4はGen 3より25%以上値上げへ。ハイエンドスマホ価格はさらに高騰する可能性
Qualcommはハイエンドスマートフォン向けチップセットのSnapdragon 8 Gen 4を2024年10月末ごろに発表すると言われていますが、このチップセットでは独自開発のCPUコアの設計に加え、TSMC 3nmで製造が行われるため大幅な価格上昇が予測されています。
工商時報によると、Snapdragon 8 Gen 3ではチップセットの供給価格は$200程度と言われていましたが、Snapdragon 8 Gen 4では上述の通りコスト上昇要素が加わるため、約25%値上げの$250程度に値上げされると言われています。この値上げ幅は業界内では製造プロセスの世代が進み性能向上も見られるため合理的な範囲であるとは言われています。
しかし、Snapdragon 8 Gen 4では発熱や消費電力も大きくなると言われているため、スマートフォンメーカーではより高価で高性能な冷却機構を備える必要があります。また、消費電力が増えてもバッテリー持続時間を維持するために大容量バッテリーの搭載が求められるなどチップセットの価格上昇以外にもコスト高騰要素が数多くあります。
そのため、Snapdragon 8 Gen 4を採用するハイエンドスマートフォンについては現行モデルに対して数万円ほどの値上げや、チップセット以外の部分でコストダウンを図るなどを行う必要が出ると見られています。
Snapdragon 8 Gen 4では性能は高いという前評判はあるものの、スマートフォンメーカーからはSnapdragon 8 Gen 3の時からチップセット価格が高すぎるとも言われていました。そのため、今回の値上げによりハイエンドスマートフォンであってもSnapdragon 8 Gen 3の採用を続けたり、MediaTekのDimensity 9400に切り替えるハイエンドモデルなども現れてきそうです。
ハイエンドスマートフォンは既に一部モデルでは20万円にも迫る販売価格に設定されているため、これ以上の値上げはハイエンドスマートフォンとは言え競争力的に厳しいものになると考えられます。そのため、各社ではチップセットをSnapdragon 8 Gen 4に変える場合は値上げを最小限に留めるためカメラ機能のスペック向上を抑えるなどコスト削減に走るか、売り上げ減少を受け入れて値段をそのまま上げてしまうかの判断に迫られます。
また、Snapdragon 8 Gen 4の競合モデルであるMediaTekのDimensity 9400のコストは不明ですが、仮にDimensity 9400の性能がほぼ同じでコストが安い場合は今までQualcomm製チップセットを使っていたメーカーもMediaTekに切り替える可能性も出てきそうです。実際にハイエンドモデルではQualcomm製チップセットしか使ってこなかったサムスンも、近々発売されるハイエンドタブレットではMediaTekのDimensity 9300+をはじめて採用するなどQualcomm一辺倒な構成から脱却を図ろうとしています。
台積3奈米制霸 主導漲價潮 | 工商時報
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