世界的に半導体が不足している中で、グラフィックカードも例外ではありません。NVIDIAのRTX 3080などグラフィックカードの入手難易度は日に日に上がっており、春節で更に状態は悪化しています。そんな状況に便乗してか、2021年が始まって2ヵ月半、既に転売ヤーがEbayで約14000個のNVIDIA製グラフィックカードが転売されていた模様です。
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関税、部材不足に春節。グラフィックカード不足に拍車をかける
過去に、Ryzen5000シリーズがどれほど転売されているか調査したMichael Driscoll氏ですが、Ryzen 5000シリーズと同様に入手難易度が非常に高くなっているRTX 3000シリーズについても調査を実施しており、その最新結果が掲載されています。
1月から2月にかけて取引価格は10~35%上昇(調査対象は北米)
その調査の結果、なんと1月から2月にかけてRTX 3000シリーズグラフィックカード全体の取引価格が平均で10%~35%上昇していたとの事です。特にRTX 3060 Tiでは1月初めは$690だったものが2月に入ってからは$920となっています。
この原因は複数存在しており、一つ大きなものがアメリカが中国製品に課している輸入関税の影響、もう一つがGPUなどの半導体製造に必要な部材不足する事による出荷数の減少です。これにより転売ヤー達は少ない供給に便乗して儲ける事が出来ている模様です。
また、1月末から2月にかけて急激に価格が上昇している大きな原因としては、半導体製造の大部分を担っている中国や台湾での春節が影響しているとの事です。これにより、グラフィックカード各種が出荷されなくなるため、転売ヤー達は更に儲けれるようになっているようです。
既に14,000個以上のNVIDIA製グラフィックカードが転売済み
取引価格以外に、取引数についてもNVIDIA製グラフィックカードについては既に14,000個もの製品が2021年1月から2月中旬にかけて転売済みとなっているようです。AMD製のグラフィックスカードを合わせると15,300個にも及ぶ模様です。各製品毎の取引数を見てみると、最も多いのがRTX 3070で5,400個、次に取引されたのがRTX 3080の3,400個、続いてRTX 3060 Tiが3,000個で、最後にRTX 3090が2,300個取引されたとの事です。
製品 | 取引数 |
NVIDIA RTX 3060 Ti | 3,000 |
NVIDIA RTX 3070 | 5,400 |
NVIDIA RTX 3080 | 3,400 |
NVIDIA RTX 3090 | 2,300 |
AMD Radeon RX 6800 | 434 |
AMD Radeon RX 6800 XT | 448 |
AMD Radeon RX 6900 XT | 334 |
一方で、AMD製のグラフィックスカードでは転売ヤーでさえも入手が困難だったためか、取引数は非常に少なくなっています。最も多いRadeon RX 6800 XTでも448個となっておりNVIDA製グラフィックカードと比べると大幅に少ないです。
日本でも春節の影響か、GPUが品薄
日本では自作PC用のパーツ需要は海外ほど高くないですが、グラフィックカードが不足傾向である事は海外と同じです。特にNVIDIA GeForce RTX 3080などは価格.comを確認するとASKULが定価11万ほどのモノを16万円前後と言う転売ヤー価格で出品しているもの以外存在していません。また、RTX 3070なども若干数販売はされているものの、数は非常に少なく、また1月時点より2万円程価格が高くなっています。
春節の影響か、グラフィックカードの在庫は世界的に枯渇しているようで、ebayなどに生息する転売ヤーはここぞとばかりに利益を出そうと張り切っている様子が伺えます。日本でもヤフオクなどを中心にグラフィックカードが出品される事はありますが、海外ほど盛んに取引が行われているとは言えません。
日本ではRTX 3080が世界的に品薄と言われていた11月、12月でも毎週ネットショップや店頭に商品が並ぶ事がありました。そのため、春節が明け、中国や台湾から出荷された商品が届き始める3月頃には各PCパーツ店のサイトやTwitterなどを巡回していれば入手できるのではと考えています。
余談ですが、今回このRTX 3080について価格.comで調べた際に気になったのですが、アスクル法人向け販売やLOHACO(ASKULの個人向け)でRTX 3080の在庫不足にあやかって定価の5万円以上の価格で販売している点は正直、怒りを覚えました。
確かに品薄であれば高く売るのが商売と言えるかもしれませんが、通販大手が平然とこのような事をするのは企業の姿勢を疑います。
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