サムスンがスマートフォン開発の中国アウトソーシングを拡大へ。コストと価格低減に寄与も品質も下がる可能性
サムスンでは2019年以降、Galaxy AシリーズなどエントリーモデルをサムスンとODM企業と協力し、設計および生産を外部に委託するODM生産方式を採用していました。これによりサムスン側は開発リソースおよびコストを削減し、ハイエンド製品などの開発に専念しつつ、エントリーモデルのコスト低減などが可能になります。
そのためなのか、サムスンではこの方針をさらに強化するようで、サムスンがODMとして委託している中国メーカーの生産台数は2024年内に予定されていた4400万台に対して第2四半期半ばに急遽6700万台と当初の計画から1.5倍の規模に拡大する意向があることが業界筋より明らかになっています。
この台数はサムスンが2024年にスマートフォン生産目標である2億7000万台の内、25%が外部委託により設計から製造までされたスマートフォンが占める事になります。ちなみに、このJDM方式で生産されるスマートフォンは2019年台は合計2億9500万台出荷された内の10%にあたる2950万台でした。
さらに、サムスンではODMで中国へのアウトソーシングを強めるほか、サムスンが直接設計と生産を担当する端末はベトナム工場での生産も拡大するようで、合計2800万台がベトナム生産になるとのことです。
ODMの拡大はエントリーモデルに限定されて行われると見られており、現在ODM化されているのは新興国を中心に販売されているA0xシリーズのほかに日本で販売されているA3xやA5xシリーズもODMに含まれる可能性が出てきます。
なお、これらのモデルではサムスン側はコストの削減が可能になるほか、Galaxy S25など主力モデルにリソースとコストを集中投下し商品性を高められるというメリットがあります。同時にODM化することはODMを請け負う企業も利益を上げる必要があるためサムスンが開発するよりも採用するコンポーネントのコストダウンが行われる可能性があるなどコストパフォーマンスの悪化や品質の低下などが起こる可能性があります。
スマートフォンは全般的にAndorid OSのほかに人気のアプリなどで求められる要求性能が上がってきていることからエントリーモデルであっても比較的高性能なプロセッサや大きめのメモリー容量が必要になってきているため、コストが上がってきています。しかし、価格を大きく上げれば販売台数が減るほか、低価格で販売している中国メーカーにシェアを取られてしまう可能性があります。そのため、サムスンもコスト削減を強める必要があり、結果的にODMを拡大するという結論に至ったと言えそうです。
ODMの場合、品質低下が心配されますが、サムスン側が品質含めた要求仕様を厳格に定めればODM側も過剰な手抜きはできないため消費者は販売価格がそのままにより高性能な端末を手に入れる事が可能になるため一概に悪いとは言えません。ただ、品質低下のリスクはあるため、今後登場するエントリーモデルの品質には注目が集まります。
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