サムスンの2nm GAAの歩留まりは20%止まり。建設中のテキサス工場から人員引き上げ
サムスンでは、TSMCに対抗するため、従来のFinFETからより高効率なGAA構造を採用した2nmプロセスを開発中です。しかし、GAA構造を採用する3nm以下の先端プロセスでは歩留まりが非常に低く、TSMC 3nmが60~70%の歩留まりを実現する中、サムスンは50%以下と言われており、顧客の確保に苦心していることが明らかになっています。
そんなサムスンですが、同社のファウンドリー事業の柱とも言える先端プロセスの歩留まり改善が停滞していることを背景に、アメリカのテキサス州で建設中のテイラー工場から技術者など人材を引き上げる決定を行ったことが明らかになりました。
この決定の理由は、2025年以降に投入される3nm GAAプロセスが50%、その先の2nm GAAプロセスは20%と歩留まりが極めて低く、量産化が困難になっていることにあります。そのため、テイラー工場の量産化に携わっている技術者を韓国に呼び戻し、上記プロセスの歩留まり改善に向けた業務に従事させることを目的としているようです。
ただ、この決定によりテイラー工場の量産開始は当初の2024年後半から2026年に遅延することになり、CHIPS法に基づく1兆円近い助成金を受け取れない可能性が出てきます。この点については、今後当局者との協議を行うことが見られています。
サムスンの3nm GAAは現時点では同社のスマートフォン向けチップセットのExynos 2500が製造され、2nm GAAではPreferred Networks製のAIアクセラレーターで受注を獲得し、ほかにQualcommのSnapdragon 8 Gen 5の製造も検討されていると噂されています。しかし、量産化には歩留まりは60%程度は必要と言われており、3nm GAAを含めて量産化に耐えうる歩留まりは実現できておらず、Exynos 2500は2025年初めの投入が延期されたとも言われています。
Samsung Electronics Withdraws Personnel from Taylor Plant Amid 2nm Yield Issues | Businesskorea
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