サムスンの2nmは改名された3nmプロセスの可能性。一応改良はされている模様
サムスンについてはTSMCに対抗できる唯一のファウンドリーで、2024年時点で最新プロセスはTSMCと同じく3nmですが、半導体の構造がFinFETより進んだ技術のGAAを採用しています。これにより、リーク電流が減り省電力性が向上するのですがこのGAA構造が災いしてかサムスンの3nmは歩留まりに苦戦しており、TSMC 3nmに対して商業的には失敗したという見方が大多数あります。
そのため、サムスンでは次世代プロセスの2nmの販売を強化する方向に舵を切っており実際に日本のスタートアップ企業のPreferred Networksから2nmプロセスの受注を勝ち取ったとも言われています。
しかし、そんなサムスンの2nmプロセスですが実際には3nmのリネーム品である可能性が浮上しています。
韓国の半導体業界の関係者によるとサムスンの2nmは実際には3nmに対して改良を加えたプロセスで、それらをマーケティング的にアドバンテージを感じられる2nmとしてリネームしているとのことです。
サムスン・ファウンドリーとの間で交わされた契約書を確認した関係者によると、当初の契約書には第二世代3nmと言う記載があったものの、2023年末ごろにこの契約書が第二世代3nmプロセスから2nmプロセスに改名されたものに書き直されていたとのことです。
サムスンがこのように3nmを2nmに改名した理由は不明ですが、業界関係者はこの第2世代3nmではトランジスタサイズの最適化が行われ縮小も行われているため、サムスンがマーケティング的なアドバンテージを得るためにも2nmと言う名称に変えたのではないかと推測しています。
製造プロセスを示す3nmや2nmと言うのは特にルールはなくこの命名は各社に委ねられていますが、TSMCでは改良版プロセスには末尾にアルファベットを追加したり、Intelでは+を追加するなどしており、改良版だからと言って数字を縮小するケースはあまりありません。
企業が各社ファウンドリーに発注する際には公にはされていない情報も求められるため第2世代3nmを2nmに名称変更しても第二世代品であることはすぐにバレるので競争力が高まる訳ではありません。
ただ、製造プロセスを見かけ以上に高めるとそれらを採用した製品は技術的な優位性をアピールしやすくなるので、もしかしたらサムスンはこの第2世代3nm(ウソ2nm)を採用予定のExynos 2500の競争力を高めるためにこのような怪しい動きをしたのかもしれませんが、こういう動きをすること自体正直あまり印象が良くないですよね。。。
ソース:ZDNET(韓国語)
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