AMD Ryzen Threadripper Pro 7995WXの浮動小数点演算性能はCPU単体でPlayStation 5 (PS5)を上回る性能に
AMDが発表したRyzen Threadripper Pro 7995WXではZen 4アーキテクチャーをベースとするコアを96コア、L3キャッシュは384MB、動作クロックは最大5.15 GHzに達するモンスタースペックのHEDTおよびワークステーション向けCPUになっています。
既に、Ryzen Threadripper Pro 7995WXのベンチマークにおいては標準仕様で先代で64コアを搭載していたRyzen Threadripper Pro 5995WXやライバルのIntel Xeon w9-3495Xを2倍近く上回る性能が確認されるなど高い性能である事が証明されていますが、何とCPU単体でPS5やXbox Series Xなど最新世代のコンソールゲーム機を上回る浮動小数点演算性能を有する事が明らかになりました。
Github上に投稿されたRyzen Threadripper Pro 7995WXのAIDA64ベンチマーク結果ではFP32浮動小数点演算性能は12.16 TFLOPs、FP64浮動小数点演算性能は6.0 TFLOPsを記録している事が明らかになりました。
この性能はIntel Core i9-13900Kが2.5 TFLOPsのFP32性能を持っているため、Ryzen Threadripper Pro 7995WXでは約5倍の性能を持つ事になります。
この性能についてはx64ネイティブのコードで実行が行われるため、OpenCLなどを用いたGPUベンチマークと完全な比較はできませんが、参考にGeForce RTX 3060のFP32が12.7 TFLOPsとなっています。
ハードウェア | FP32 TFLOPs |
---|---|
GeForce RTX 3060 | 12.7 |
Ryzen Threadripper Pro 7995WX | 12.16 |
Xbox Series X | 12.1 |
PlayStation 5 | 10.2 |
Ryzen Z1 Extreme | 8.6 |
PlayStation 4 Pro | 8.4 |
Xbox One X | 6.0 |
このRyzen Threadripper Pro 7995WXのFP32性能ですが、現行のコンソールゲーム機で挙げられている公称値と比較すると、Xbox Series Xは12.1 TFLOPsという事で同等ですが、PS5は10.2 TFLOPsという事でRyzen Threadripper Pro 7995WXがCPU単体で20%程度上回る計算になります。
各コンソールゲーム機の公称値は各社の基準に沿って導き出された値であるため、こちらも完全な比較にはならない参考値にしかなりません。ただ、だとしてもRyzen Threadripper Pro 7995WXが如何に強力な計算能力を持っているかは分かる結果になっており、今後もしかしたら『CrysisをCPU単体でプレイしてみた』の様な事例が登場してもおかしくないようなバケモノ級のCPU性能を持っている事は間違いないと言えます。
コメント
コメント一覧 (1件)
>>CrysisをCPU単体でプレイしてみた
これはちょっと見てみたい。
GPUがビデオボードとか言われていた頃は、GPU非搭載パソコンで3Dゲームを遊ぼうと苦心してたなぁ。fpsが3~6をウロチョロしてて、絶望したり。今は、CPUだけで3Dゲームが遊べる時代。()