AMD Ryzen Threadripper Pro 7000シリーズにはオーバークロック履歴の有無を示す隠しフューズが内蔵
AMDが発売したRyzen Threadripper Pro 7000シリーズについては最上位モデルで96コアを持つRyzen Threadripper Pro 7995WXでは液体窒素を用いたオーバークロックを行う事で2位に対して2倍近い性能で世界記録を達成するなど非常に高い性能を発揮しています。しかし、このRyzen Threadripper Pro 7000シリーズではオーバークロックが起因となる故障を明確に判断するために、オーバークロックの実行履歴を確認できる隠しヒューズが内蔵されている事が明らかになりました。
Ryzen Threadripper Pro 7000シリーズのオーバークロックについては一部マザーボードでオーバークロックを行おうとするとBIOSの警告メッセージとして『この設定を実行するとオーバークロックモードが永続的に有効化され、保証が無効になります』が表示される事が明らかになり、オーバークロックをすれば保証がすべて無効になると言う誤った情報が流れてしまったようですが、AMDはこのオーバークロックについて『オーバークロックをする事が保証をすべて無効化する訳ではない』とTom’s Hardwareに対して声明を出しています。
加えて『オーバークロックを有効にすることでCPUに内蔵されている特殊なフューズが切れる構造になっており、オーバークロックや電圧変更が原因で故障が発生すればそれは保証ではカバーされないです。一方で、オーバークロックとは関連しない問題や故障についてはオーバークロックの実行有無に関わらず保証修理、交換の対象となる』とも語っており、オーバークロックが原因となる故障については保証対象外でAMD側もユーザーが嘘をついて保証修理が行えないように細工を施しているようです。
AMDではオーバークロック以外の故障については保証対象となるとは語っていますが、オーバークロックが原因なのかをどの様に判別するかについては不明であるため、ベンチマークで世界記録を目指す様な人でない限り興味本位でオーバークロックを行うなどは控えた方が良いと言えそうです。
なお、このオーバークロック実行で飛ぶフューズはRyzen Threadripper Pro 5000シリーズでも存在はしていましたが、オーバークロックが原因で修理してもらえなかったという話は今のところ入っていませんので相当極端な事案でない限り、保証が無効になる事はないのかもしれません。
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