AMD Ryzen AI 9 HX 370のCPU-Zベンチマークも登場。Core Ultra 9超えの性能を発揮
AMDがComputex 2024で発表したZen 5アーキテクチャー CPUとRDNA 3.5 GPUを搭載するRyzen AI 300シリーズについては、一部ノートPCメーカーでは実機による展示が行われていましたが、この実機展示のノートPCにCPU-Zを入れてベンチマークを計測した動画が中国のBilibiliに掲載されているのが明らかになりました。
今回CPU-Zでベンチマーク計測されたのはRyzen AI 300シリーズの最上位モデル、Ryzen AI 9 HX 370のES品を搭載したASUSのゲーミングノートPCであるASUS TUF Gaming A14で計測された結果になっています。
Ryzen AI 9 HX 370は4コアはZen 5、8コアはZen 5cで構成されたハイブリッドコアCPUで、L2キャッシュが12MB、L3キャッシュがZen 5が16MB、Zen 5cが8MBで合計36MB備え、動作クロックは最大5.1 GHzで動作します。
CPU-ZのベンチマークではRyzen AI 9 HX 370はシングルコア時は4.34 GHz、マルチコア時の動作クロックは3.7 GHzで動作していますが、スコアはシングルコアが797ポイント、マルチコアが8894ポイントを記録しています。
CPUモデル | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
Ryzen AI 9 HX 370 | 798 | 8894 |
Core Ultra 9 185H | 734 | 8192 |
Ryzen 7 7700X | 749 | 7973 |
Core i7-12700K | 788 | 7806 |
Ryzen 9 8945HS | 700 | 7080 |
Ryzen 9 7940HS | 681 | 7065 |
シングルコア、マルチコアにおいてRyzen AI 9 HX 370は動作クロックが最大5.1 GHzで動作するRyzen 9 8945Hを大きく上回る性能で、シングルコアでは14%、マルチコアは26%上回っています。特に今回のベンチマークはES品と言う事でシングル、マルチ共に動作クロックが抑えられていたため、製品版として動作クロックがさらに高められた場合はより高いスコアを記録することが予想されます。
ほかのCPUと比較しても、ノートPC向けで最新かつ最上位のIntel Meteor Lake世代のCore Ultra 9 185Hに対してはシングルコア、マルチコア共に9%上回り、デスクトップ向けのRyzen 7 7700XやCore i7-12700Kに対してもシングルコアは同等レベルですが、マルチコアでは10%以上上回る性能を記録しています。
AMDのRyzen AI 9 HX 370は2024年夏以降に搭載ノートPCが発売される見込みであるため、今後の最適化でさらに性能が伸びるのか注目されます。
AMDのRyzen AI 300シリーズについては数日前にGeekbench 6のベンチマーク結果がリークされていましたが、仕様上最大かつ先代のRyzen 9 8945HSの最大クロックの5.1 GHzを下回る状態でも高いパフォーマンスを発揮できていることから性能面ではかなり期待が持てるCPUと言えます。あとは、電力をより多く使えるデスクトップ向けのRyzen 9000シリーズのパフォーマンスも気になるところですが、こちらに関しても発売まであと1か月半程度で、近い内にベンチマーク結果が明らかになると考えられます。
AMD 锐龙 AI 9 HX 370 跑分 | Bilibili
https://www.bilibili.com/video/BV1M7421d7ad/?vd_source=57547c544158541a598a79e73f425896
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