AMD Ryzen 9 7845HXはRyzen 9 7900Xに迫る性能をOCで発揮も消費電力は35%減

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AMDがデスクトップ向けRyzen 7000をノートPC向けに転用したRyzen 7045HX Dragon Rangeシリーズをまもなく投入予定ですが、今回この中でハイエンドモデルとなるRyzen 9 7845HXにオーバークロックであるPBO有効状態でベンチマーク計測および消費電力計測を行った結果が登場し、高い電力効率を記録しています。

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AMDのノートPC向けCPU、Ryzen 9 7845HXをオーバークロックした状態のベンチマーク出現。性能はRyzen 9 7900Xに迫るも、消費電力は35%と大幅減少。

AMDではデスクトップ向けにZen 4を搭載するRyzen 7000シリーズCPUをノートPC向けに転用したRyzen 7045HXシリーズ(通称:Dragon Range)を搭載したノートPCをまもなく投入予定です。

このRyzen 7045HXシリーズについては既に最上位モデルのRyzen 9 7945HXやRyzen 7 7745HXなどのベンチマーク結果は出ていますが、今回はハイエンドモデルとなるRyzen 9 7845HXを搭載したASUS製ゲーミングノートPCで、オーバークロックをかけた状態でベンチマークや消費電力の計測を行った結果が登場しました。

AMDのRyzen 9 7845HXはデスクトップ向けに開発されたRyzen 7000シリーズと同じくCCDを2基とI/Oダイを1基搭載したCPUになっていますが、ノートPC向けに省電力化が図られています。そのため、コア構成は12コア24スレッド、キャッシュ容量はRyzen 9 7900Xと同じくL2が12MB、L3が64MBで同じですが、動作クロックはベースが3.0 GHzで最大5.2 GHzとデスクトップ向けより低くなっています。また、TDPは55~75W+のレンジでOEMが設定できるようになっています。

Tips – Chiphell – Share and communicate user experiences

Chiphellに掲載された情報によると、今回登場したベンチマークはASUSのROGノートPCで計測が行われており、CPUにはRyzen 9 7845HX、GPUにはGeForce RTX 4060を搭載した構成になっています。このノートPCではデスクトップ向けのRyzen 7000シリーズと同じようにBIOS上で様々なオーバークロックオプションの変更が可能なようで、PBO2による手動オーバークロックやCurve Optimizerなどが使用可能とのことです。

今回、ユーザーはPBO2による手動オーバークロックをRyzen 9 7845HXに適用し、動作クロックをシングルコア動作時は最大5.45 GHz、マルチコア時は約5.1 GHzを達成しています。

この状態で計測されたCinebench R23の結果は、シングルコアが1960pt、マルチコアが28542ptを記録しています。

このベンチマーク時の消費電力については最大で127Wが記録されているとのことです。

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ベンチマークのスコアではRyzen 9 7845HXはIntelの最上位ノートPC向けCPUであるCore i9-13980HXに対して6.5%劣る結果にはなっていますが、このCPUは消費電力が最大200Wを超え、平均値でも180W程度になるという結果が出ているため、性能は高いものの消費電力が最大35%低いRyzen 9 7845HXの方が電力効率含めると優れるという結果になります。

また、このRyzen 9 7845HXはデスクトップ向けのRyzen 9 7900Xともオーバークロックを行えば肩を並べる性能になっています。しかし、こちらもRyzen 9 7900Xは消費電力を200W程度消費するものの、Ryzen 9 7845HXでは130W程度と低く、元は同じCPUであるのにRyzen 9 7845HXの方が35%も消費電力が低いという結果になっています。

 

Ryzen 7045HXについてはベンチマークが出る度に、性能はIntelに対して若干劣るものの消費電力の低さが毎回目立つ結果となっていますが、ゲーミングノートPCでは使える電力量に限りがあるため、CPUが可能な限り電気を使わず、GPUに電気を回す事でゲーミング時のパフォーマンスは向上する事が既に明らかになっています。そのため、ゲーミング時のパフォーマンスを重視するのであれば、Ryzen 7045HXを搭載するゲーミングノートPCは最適と言えそうです。

あと、今回のベンチマークでは不思議な事にベースとなっているRyzen 9 7900Xをも超える電力効率を叩き出しています。今後、Ryzen 7045HXなどが登場すれば動作電圧やデスクトップ向けとの違いなど細かな点などが明らかになると考えられますが、もしかしたらデスクトップ向けのRyzen 7000シリーズについても様々な調整を施せばRyzen 7045HX並みの電力効率での運用も可能かもしれませんので詳細が待たれる所です。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 市場規模的にはデスクトップよりノートのほうが大きいみたいだから、素性の良いダイを冷却の厳しいノート向けに優先して回してるのかも

  • 7900(non-x)持ちとしては高効率の理由が気になる
    ハード的な大きな変更が有ったのか、ソフトウェア上の最適化なのか・・・
    続報待ってます

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