AMDでは2022年下半期にZen4アーキテクチャーを搭載するRyzen 7000シリーズの発売を予定していますが、このRyzen 7000シリーズの動作クロックについて最大5.85 GHzに到達する可能性があるようです。
デモで5.5 GHzを達成していたAMD Ryzen 7000シリーズ
AMDでは5月下旬に開催されたCOMPUTEX 2022にてZen4アーキテクチャーとこのアーキテクチャーを搭載するデスクトップ向けのRyzen 7000シリーズCPUの発表を行いました。
この発表の際に、AMDではGhostwire Tokyoを用いたデモを行い、この時の動作クロックについては定格状態かつ複数のコアが最大5.5 GHz程度まで動作クロックが上がっていた状態になっていました。
そんな、高い動作クロックが期待できるRyzen 7000シリーズですが、量産版においてはさらに高い動作クロックが設定される可能性があるようです。
現時点で最大動作クロックは5.85 GHz
AMDのRobert Hallock氏によると、COMPUTEX 2022のデモで5.5 GHzで動作していたプロトタイプ品の16コアのRyzen 7000シリーズについてはまだTDPなどが最終設定されたものではなく、TDPについては最上位モデルで設定がされる予定の170Wに達していないものだったとのことです。そんなRyzen 7000シリースですが、Asgstronomicsが持つ独自ソースによると、2022年5月時点のRyzen 7000シリーズについては一部OPNでは最大動作クロック(FMax)が5.85 GHzに設定されているとのことです。
このFMax値については2022年5月現時点ということで最終製品において設定される動作クロックを表すものではないものの、サンプル品で5.85 GHzが設定されているため、最終製品においてもこれに近い値に設定がされるものと見られています。
Raptor Lake-Sも5.8 GHz台で動作。AMDも対抗へ?
IntelではRyzen 7000シリーズと同時期に発売予定となる第13世代CPUであるRaptor Lake-Sにおいては最大動作クロックを5.8 GHz台に設定するというリークが過去に出現しています。
このIntelの動きに対してAMDではRyzen 9 7950XなどTDPが170W、PPTは230Wと電力面で余裕があるモデルに関しては5.5 GHz〜5.85 GHzという高い動作クロックまで引き上げる設定を行い、IntelがRaptor Lake-Sでアピールするであろう、動作クロックに関するアドバンテージを潰す狙いがあるのかもしれません。
なお、Ryzen 7000シリーズを5.85 GHzで動作させるにはCPU自体を240mm以上のAIOなど高い冷却性能が要求されると見られますが、マザーボード側においてもVRMの性能や冷却を徹底的に行わなければ達成できないものと見られており、誰でも手軽に5.85 GHzで動作させられるという訳ではないと見られています。
AMDのRyzenシリーズではIntelのCPUに比べると動作クロックが全体的に低い状態でしたが、Ryzen 7000シリーズからは一気に動作クロック面で追いつく見込みのようです。ただ若干気になるのが5.85 GHzとわざわざ0.05 GHz刻んでいる点で、Raptor Lake-Sが5.80 GHzで動作する可能性がある中でわざわざ0.05 GHz上回る数字を出してきている辺りこれがRyzen 7000シリーズの限界点であるのかもしれません。
なお、IntelもAMDの動向を見極めるためあえて高めの動作クロックをリークしたという可能性もあるため、この辺りは発売前まで数字がコロコロと変わる可能性が高そうです。
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