Ryzen 7 9800X3D のPBO状態でのベンチマークが登場。FF14ベンチでは29%性能向上
AMDはZen 5アーキテクチャに3D V-Cacheを搭載するRyzen 7 9800X3Dを11月7日に発売予定で、まもなく発表が行われる予定です。しかし、一足先にこのRyzen 7 9800X3Dを入手したユーザーがPBO状態でCinebench R23やFF14ベンチマークなどを計測し、ゲーミングを含めた性能や動作クロックなどが明らかになりました。
AnAndTechの掲示板で活動する「igor_kavinski」氏は、過去にRyzen 9000シリーズのベンチマークなどを発売前に掲載していましたが、今回Ryzen 7 9800X3DのES品を入手したようで、このCPUでCinebench R23とFinal Fantasy XIVベンチマークを実行した結果が明らかにされています。
このベンチマークの結果ではCinebench R23はシングルコアが2261ポイント、マルチコアが25258ポイントを記録しています。また、ベンチマーク中はPBO状態で計測されていますが、Ryzen 7 9800X3Dは低い消費電力や発熱も相まってか、最大5.7 GHzで動作しています。
これはPBO Maxを有効にしたRyzen 7 7800X3Dの5.05 GHzを大きく上回っています。
CPU | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
★Ryzen 7 9800X3D (PBO) | 2261 | 25258 |
Ryzen 7 9700X (PBO) | 2187 | 23325 |
Ryzen 7 9700X | 2197 | 20352 |
Ryzen 7 7800X3D (PBO) | 1824 | 18765 |
Ryzen 7 7800X3D | 1817 | 18475 |
ベンチマーク結果をRyzen 9000シリーズの中で同じ8コアのRyzen 7 9700Xに対して比較すると、PBO状態でシングルコアは3%、マルチコアは8%と比較的大きくスコアが改善しています。
先代のRyzen 7 7800X3Dと比べると、シングルコアは24%、マルチコアは35%と大幅な性能向上が見られていますが、この主な理由は動作クロックの大幅向上によるものと見られています。
FF14ベンチマークではRyzen 7 9800X3DとRadeon RX 7800 XTを組み合わせた状態で62360ポイントを記録しています。CPUだけをRyzen 7 7800X3Dに変更した条件で計測した他のユーザーは48527ポイントを記録しているため、28.5%もの性能向上が見られる結果になっています。
今回の結果はPBOを有効にした条件であり、過去にMSIの内部資料によるとRyzen 7000X3Dに対してRyzen 9000X3Dのゲーミング性能は最大16%向上すると言われていました。ただ、この結果は定格状態のものと見られています。そのため、動作クロックの向上が著しいPBOでは非常に高いゲーミング性能が期待できると言えるほか、レンダリングタスクなどでも3D V-Cacheは通常版と遜色がない性能が期待できるため、オールラウンダーCPUとして非常に高い人気が期待できるかもしれません。
Zen 5 Speculation (EPYC Turin and Strix Point/Granite Ridge – Ryzen 9000) | AnAndTech
コメント
コメント一覧 (1件)
7800X3DはCPUダイの上にV-cacheが積層されていますが、
9800X3DはV-cacheダイの上にCPUダイが積層されています。
名前が似ているだけで構造は別物ですね。
従来の7800X3Dはキャッシュダイが放熱の妨げになっていましたが、
新型はこれが無いので冷えやすくクロックが伸びているようです。