『Zen3』世代のRyzenは2020年末にかけてリリースされ、もうすぐEPYCもリリースされる所です。そんな、AMDでは既に次世代に当たる『Zen4』RyzenとEPYCの開発を進めており、その性能は驚異的なものになるという噂が出ています。
『Zen3+』、『Zen4』『Zen 5』まで盛りだくさん
ChipsandCheeseが独自に仕入れたソースによると、『Zen3』EPYC Milanの次期型に当たる『Zen4』EPYC Genoaでは『Zen3』EPYC Milanに対して驚異的なまでに高速化がされるとの事です。このソースは他に今年登場予定の『Zen3+』と『Zen 5』についても持ち合わせており語っています。
『Zen4』ではTSMC 5nmを採用し大きな進化が遂げられる
ソースの提供者によると、『Zen4』世代のCPUでは現行の『Zen3』に対して大きな進化を遂げるとの事です。その理由として、ソース提供者は既に『Zen4』EPYC GenoaのES品を手に入れており、同一コア、同一クロックではEPYC Milanに対して性能面で29%高速化されていたとの事です。この『Zen4』ではTSMCの5nmプロセスが導入され、ローンチタイミングは2022年のどこかが予定されているとの事です。
Zen 4 is what a lot of people are waiting for, and, if the info I have is accurate, that wait will prove to be even more worth it. It is important to note that the one common thread in all Zen 4 chatter I have heard is resounding positivity. From IPC gains over 25%, a total performance gain of 40%, and even possibly (finally) 5GHz all-core thanks to the new (full node) N5 fabrication at TSMC!
Now, I can’t say what is true and what is an over-exaggeration, however I was told from a trusted source that a Genoa engineering sample (Zen 4 server chip) was 29% faster than a Milan (Zen 3) chip with the same core config at the same clocks. Factor this in with what I have heard about the possible clock gains that N5 will enable over N7 and Zen 4 sounds like it is going to be a monster of a CPU.
日本語訳
Zen4は多くの人が登場を待っているCPUですが、もし自分が持っている情報が正しければ益々待つ価値はあるとおもいます。自分の周りでZen4に関する情報や噂についてそのほとんどがポジティブなニュースです。例えば、IPCが25%向上し、全体での性能は40%にも及ぶなどです。また、遂にTSMC 5nmを利用する事で全コアで5GHzの動作も可能になるとの事です。
なお、この中でどれが本当でどれが盛られた情報か確実に調べる方法はありませんが、信頼のおけるソースからは『Zen4』世代のEPYC GenoaのES品を手に入れたところ、『Zen3』EPYC Milanに対して同一コア、クロックでの動作では29%程高速だったとの事です。また、TSMC 5nm採用によりより高クロックでの動作が可能になるため、『Zen4』はバケモノCPUとなる可能性が高そうです。
EPYC Genoaでは、全体で40%程度の性能向上を果たしており、『Zen4』アーキテクチャーへのアップグレードも理由ですが、TSMC 5nm採用によってより速い動作クロックによって実現できている可能性があります。また、『Zen4』ではDDR5が採用される事からI/O関係の高速化も性能に大きく寄与するものと考えられます。この『Zen4』ではAMDのCEOであるLisa Su氏がより多くのコアを積む可能性を示唆しています。そのため、ひょっとしたら現行の64コアから96コア~128コアなど驚異的な数のコアを積み、サーバー向けCPUで新しいスタンダードを作るかもしれません。
改良モデルである『Zen3+』ではIPCが4~7%向上
2021年後半に登場が噂されている『Zen3+』に関する情報も掲載されています。この『Zen3+』では現行のソケットAM4からは離れ、新しいソケットAM5に対応すると見られています。ただ、アーキテクチャーやプロセス面では『Zen3』を踏襲しており、TSMCの7nmを採用します。ただ、細かな改良などが加えられる予定で、IPCは『Zen3』比で4~7%程度向上すると見られています。ちなみに、この向上幅は『Zen』から『Zen+』に代わった際のIPC3%よりは大きくなっています。
『Zen 5』では初代『Zen』に対して2.5倍から3倍の性能?
余りに先の話で、信頼度は落ちるとの事ですが、『Zen 5』世代のCPUではIPCの伸びしろは初代『Zen』に対して2.5倍から3倍程度のIPCを獲得するとの事です。あまりにも大きすぎる進化に聞こえますが、AMDではこの数年間、新しい世代のCPUを出す度に大きなIPC向上を果たしています。
Ryzenシリーズ | Ryzen 1000 シリーズ | Ryzen 2000 シリーズ | Ryzen 3000 シリーズ | Ryzen 4000 シリーズ | Ryzen 5000 シリーズ | Ryzen 6000 シリーズ |
アーキテクチャー | Zen (1) | Zen (1) / Zen+ | Zen (2) / Zen+ | Zen (3) / Zen 2 | Zen (4) / Zen 3+ / Zen 3? | Zen (4) / Zen 3 |
製造プロセス | 14nm | 14nm / 12nm | 7nm | 7nm+ / 7nm | 7nm+ / 7nm | 5nm / 7nm+ |
サーバー向けモデル コードネーム |
EPYC ‘Naples’ | EPYC ‘Naples’ | EPYC ‘Rome’ | EPYC ‘Milan’ | EPYC ‘Milan’ | EPYC ‘Genoa’ |
最大コア数/スレッド数 | 32/64 | 32/64 | 64/128 | 64/128 | 64/128 | TBD |
ハイエンドデスクトップ (コードネーム) |
Ryzen Threadripper 1000 Series (White Haven) | Ryzen Threadripper 2000 Series (Coflax) | Ryzen Threadripper 3000 Series (Castle Peak) | Ryzen Threadripper 5000 Series (Genesis Peak) | Ryzen Threadripper 5000 Series (Genesis Peak) | Ryzen Threadripper 6000 Series |
最大コア数/スレッド数 | 16/32 | 32/64 | 64/128 | 64/128 | TBD | TBD |
一般向けデスクトップ (コードネーム) |
Ryzen 1000 Series (Summit Ridge) | Ryzen 2000 Series (Pinnacle Ridge) | Ryzen 3000 Series (Matisse) | Ryzen 5000 Series (Vermeer) | Ryzen 6000 Series (Warhol) | Ryzen 7000 Series (Raphael) |
最大コア数/スレッド数 | 8/16 | 8/16 | 16/32 | 16/32 | TBD | TBD |
モバイル向けAPU (コードネーム) |
N/A | Ryzen 2000 Series (Raven Ridge) | Ryzen 3000 Series (Picasso Zen+) | Ryzen 4000 Series (Renoir Zen 2) | Ryzen 5000 Series (Cezanne Zen 3) | Ryzen 6000 Series (Rembrandt Zen 3) |
登場年 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020~2021 | 2020~2021 | 2022 |
AMDは2017年にリリースしたRyzenから、売り上げや純利益、株価などは順調に推移しています。そのため、近年では安定した研究開発費を捻出する事が可能となっています。
ここからは個人的な意見ですが、AMDでは会社の売り上げなどが非常に順調にも関わらず、ラインアップを広げず、あくまで一つ基本となるアーキテクチャーでサーバーからモバイル向けまでカバーするなど選択と集中を実践しています。そのため、今後もAMDのCPUはIntelの進化に追いつき、追い越せるぐらいの性能の製品を続けて出せるのではないかと考えています。また、CPUで得られた利益やノウハウは今は利益的に微妙なGPUにも回せています。今後はCPUで得た原資を基にGPU分野でも徐々に成長していくのではないかと考えています。
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