AMD Ryzen 5 7600X3Dのゲーミング性能はCore i9-14900K以上に。日本では5.8万円で発売へ？

AMD Ryzen 5 7600X3Dのゲーミング性能はCore i9-14900K以上に。日本では5.8万円で発売？

AMDは、アメリカのPCパーツ量販店Microcenterの独占販売として、3D V-Cacheを搭載したRyzen 7000X3Dシリーズ初のミドルレンジモデル、Ryzen 5 7600X3Dを8月末に発売しました。このRyzen 5 7600X3Dに関して、アメリカのテック系ニュースサイトTom’s Hardwareがベンチマークテストを行い、ゲーミング性能が明らかになったほか、日本を含むグローバル展開の可能性も浮上しています。

Ryzen 5 7600X3Dは6コア12スレッドのCPUで、動作クロックはベースが4.1 GHz、ブースト時には4.7 GHzに達し、L2キャッシュは6MB、L3キャッシュは96MB、合計で102MBのキャッシュ容量を備えています。また、TDPは65Wと低めに設定されています。このCPUは上位モデルであるRyzen 7 7800X3Dに採用できなかったCCDダイを活用して作られており、$429で販売されているRyzen 7 7800X3Dに対して、$130安価な$299.99でRyzen 5 7600Xと同価格で販売されている手頃な製品です。

しかし、このRyzen 5 7600X3Dは一般的なCPUの発売とは異なり、アメリカの一部州にしか店舗のないMicrocenter限定で販売されているため、発売後のレビューは少ない状況です。それでも、Tom’s Hardwareは1080p解像度に焦点を当てたゲーミング性能のベンチマークを実施しています。

その結果、Ryzen 5 7600X3Dは19タイトルで計測された平均FPSが160FPS、1% Lowで105FPSを記録しています。この結果は、上位モデルのRyzen 7 7800X3Dに対して平均FPSで8.5%、1% Lowで11%劣るものの、非3D V-Cacheモデルと比較すると、Core i9-14900Kに対して平均FPSでは2%上回り、1% Lowでは3.7%劣るという結果でした。これにより、価格が約1.8倍のCore i9-14900Kに対しても、ほぼ同等のゲーミング性能を持つことが確認されました。また、AMDの新製品Ryzen 7 9700Xと比較しても、平均FPSでは6%、1% Lowでは2%優れた性能を発揮し、ゲーミング性能においてはハイエンドモデルに匹敵する高いパフォーマンスを示しています。

ドイツで発売されるなどグローバル展開も。価格は5万円台になる可能性

Ryzen 5 7600X3Dは現在、アメリカのMicrocenter限定で販売されていますが、過去に同様の手法がRyzen 5 5600X3Dでも採用され、アメリカ以外では販売されませんでした。しかし、Ryzen 5 7600X3Dについては、まもなくドイツでも販売が開始される見込みであり、グローバル展開が進む可能性が出てきています。そのため、日本での発売も近いうちに行われる可能性が高まっています。

https://twitter.com/aschilling/status/1831695231609188493

ドイツでの販売価格は€329に設定される予定で、€1=160円+消費税で計算すると日本での販売価格は5.8万円台になると予想されます。現在、Ryzen 7 7800X3Dが最安で6.4万円程度で販売されていることを考えると、約10%安価に高いゲーミング性能が得られることから、コストパフォーマンスの高いCPUと言えるでしょう。

ちなみに、ドイツでの販売価格は、そのままユーロの為替レートで計算すると日本での販売価格に近い傾向があります。たとえば、Ryzen 7 9700Xの日本での定価は70,800円ですが、ドイツでの定価€399は日本円換算で63,840円、これに消費税10%を加えると70,224円となり、ほぼ一致しています。