AMD Ryzen Z2 Extreme のベンチマークが登場。GPU性能はGeForce GTX 1650に迫る勢い

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AMD Ryzen Z2 Extreme のベンチマークが登場。GPU性能はGeForce GTX 1650に迫る勢い

AMDは2025年5月開催のComputex 2025でハンドヘルド型ゲーミングデバイスなどへの搭載を想定したチップセット『Ryzen Z2シリーズ』を発表しましたが、今回この中で上位モデルとしてラインアップされるRyzen Z2 Extremeを搭載したMSIの新型ハンドヘルド型デバイス『MSI Claw A8』で計測された各種Geekbenchのベンチマークスコアがデータベースに登録され、その大まかな性能が明らかになりました。

Ryzen Z2 Extremeとは?

Ryzen Z2 Extremeは、2024年に発売されたノートPC向けAPU「Strix Point」をベースに、ハンドヘルドデバイスに最適化された製品です。

CPUにはZen 5アーキテクチャーで、P-Core相当のZen 5コアを3コア、E-Core相当のZen 5cコアを5コア搭載した合計8コア構成で、GPU側にはRDNA 3.5アーキテクチャーで構成されたCompute Unitを合計16コア備えています。また、TDPは15Wから35Wの範囲で設定可能になっています。

CPU性能はRyzen AI 9 HX 370を超える性能

CPU側の性能を計測するGeekbench 6ベンチマークの結果はシングルコアが2748ポイント、マルチコアが12182ポイントを記録しています。

CPUモデルシングルコアマルチコア
Ryzen Z2 Extreme (8C)274812182
Ryzen AI 9 HX 370 (12C)259613284
Ryzen AI 9 365 (10C)253512582
Ryzen Z1 Extreme (8C)21729617

Ryzen Z2 Extremeは先代のRyzen Z1 Extremeに対して、アーキテクチャー刷新などが入っているため大幅な性能向上が見られており、シングルコ、マルチコア共に26%ほどの向上が見られています。

ノートPC向けのRyzen AI 9 HX 370と比較すると、シングルコア性能では約6%上回る結果です。一方でマルチコア性能は約8%下回りますが、Ryzen AI 9 HX 370が12コアであるのに対し、Ryzen Z2 Extremeは8コアで肉薄する性能を発揮していることから、その電力効率は非常に高いと言えます。特にこれはバッテリー駆動時間が重要となるハンドヘルドデバイスにとって大きなアドバンテージになると考えられます。

内蔵GPU性能はGeForce GTX 1650に迫る性能

Ryzen Z2 Extremeに内蔵されるグラフィックスは12コアのCompute Unitを備えており、このグラフィックスをRadeon 890Mと呼んでいます。そんなRadeon 890Mですが、GeekbenchのVulkanでは45064ポイント、OpenCLでは37970ポイントを獲得しています。

CPUモデルVulkanOpenCL
Ryzen Z2 Extreme4506437970
Ryzen AI 9 HX 3704439937297
Ryzen Z1 Extreme3471529632
GeForce GTX 16503750139780

このスコアは、先代のRyzen Z1 Extremeから約30%の向上を記録しています。また、かつてデスクトップPC向けのエントリークラスで人気を博したGeForce GTX 1650と比較すると、Vulkan性能では約20%上回る一方、OpenCL性能では約5%下回る結果となりました。

TDP(熱設計電力)の設定は異なりますが、ベンチマークが示す通り、Ryzen Z2 ExtremeはノートPC向けのRyzen AI 9 HX 370とほぼ同等のグラフィックス性能を持っています。そして、このRyzen AI 9 HX 370は、実際のゲームにおいてGeForce GTX 1650と同等レベルの性能を発揮することがすでに示されています。

このことから、Ryzen Z2 Extremeも多くのPCゲームを快適にプレイできる描画能力を持つと期待できるでしょう。さらに、将来的にはAMDのアップスケーリング技術「FSR 4」が、RDNA 3.5アーキテクチャ(Radeon 890Mなど)に対応するとも噂されています。これが実現すれば、Ryzen Z2 Extremeを搭載したデバイスは、さらに高いゲーミング性能を発揮する可能性を秘めていると言えそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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