組み込み機器向けのRyzenは2020年11月頃にZen 2アーキテクチャーを採用したV2000が登場しましたが、その後継に当たるRyzen Embedded V3000の情報が登場しました。6nm Zen 3にRDNA2を採用する可能性が高そうです。
Ryzen Embedded V2000の後継モデル
Ryzen Embeddedは主にコンシューマーおよび産業用の組み込み機器向けのCPUとなっていますが、現行のモデルはRyzen Embedded V2000が最新となっており2020年11月10日に発表されました。仕様としては、7nm Zen 2アーキテクチャーを採用し、最高仕様のモデルはV2748と呼ばれ、最大8コア、16スレッドのベースクロック2.90GHz、最大4.25GHzでGPU側にはVegaを搭載し、7基のCUが1.6GHzで動作する仕様となっています。また、TDPは35~54Wとなっており、他にTDPが10~25Wのモデルも存在します。
今回、現行のRyzen Embedded V2000の後継に当たるRyzen Embedded V3000の情報が今まででかなりの確度で情報を当てている実績を持つPatrick Schur氏からリークされました。
6nm Zen 3 CPUにRDNA2を採用。PCIe Gen4.0とDDR5にも対応
AMD Ryzen Embedded – V3000
Zen 3 (6 nm) – FP7r2– up to 8 Cores / 16 Threads
– 20x PCIe 4.0 lanes (8x dGPU)
– 4x DDR5-4800 (ECC)
– two 10G ethernet PHYs
– 2x USB 4.0
– 15-30 W and 35-54 W models
– up to 12 CUs (RDNA2)— Patrick Schur (@patrickschur_) June 21, 2021
Patrick Schur氏によると、AMD Ryzen Embedded V3000については、現行のV2000に対して大幅なアップグレードがされるとの事です。
まず、CPUアーキテクチャーはZen 2からZen 3アーキテクチャーに進化すると同時に製造プロセスは6nmに変更されるようです。他にV2000からの大きな変更点としては、PCIe Gen4.0、DDR5-4800に対応し、2基の10G ethernetとUSB4.0への対応も進められるとの事です。
GPUについてはV2000からに限らず現行のRyzenシリーズ含めて大きく変るポイントで、V3000では最大で12基のCUを採用したRDNA2が搭載されるようです。現行のV2000ではCU 6~7基のVega GPUを採用しているため、大幅なパフォーマンス向上が期待できます。
3つのSKUで登場。CU12基のRDNA2を採用したモデルはTDP 15-30W
Patrick Schur氏は上記の情報の他に、登場予定のSKUの詳細についてもリークしています。
CPUモデル名 | コア / スレッド | ベース / ブーストクロック | L2 キャッシュ |
L3 キャッシュ |
GPUコア | GPU Clock | TDP |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen Embedded V3748 | 8/16 | 3.1 / 4.6 GHz | 4 MB | 16 MB | 8 RDNA 2 CUs (512 SPs) | 1900 MHz | 35-45W |
Ryzen Embedded V3718 | 8/16 | 2.6 / 4.6 GHz | 4 MB | 16 MB | 12 RDNA 2 CUs (768 SPs) | 2000 MHz | 15-30W |
Ryzen Embedded V3516 | 6/12 | 2.8 / 4.4 GHz | 3 MB | 16 MB | 8 RDNA 2 CUs (512 SPs) | 1800 MHz | 15-30W |
Ryzen Embedded V3000の仕様については2022年に登場予定とされているRyzen 6000シリーズ、通称Rembrandtの仕様に非常に似ています。Ryzen V1000からV2000の登場まで約2年8か月の期間が空いていました。そのため、Ryzen V3000の登場については最低でもV2000登場から1年が経過する2021年11月以降になる予定で、最も有力なのがRyzen 6000シリーズが発表されると言われている2022年上半期頃になると見られています。
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