AMDのRyzenシリーズCPUがマイニングの餌食になる可能性

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Ryzen 5000 Series

RyzenシリーズではIntel製CPUに比べてL3キャッシュ容量が大きいですが、このL3キャッシュ容量を活かしたマイニングを行う仮想通貨、Raptoreumが一部マイナーの間で人気が出始めているようです。

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CPUでマイニングを行うRaptoreum

New Raptoreum Crypto Mining Algorithm Turns AMD Ryzen CPUs With Huge L3 Caches In To Money Making Machines (wccftech.com)

CPUでマイニングを行う仮想通貨と言うとMoneroやVerusCoinなどがありますが、最近Raptoreumと呼ばれる仮想通貨が2021年初旬に登場しました。このRaptoreumはグラフィックカードなど様々なハードウェアでマイニングが行えるProof of Work型の仮想通貨ですが、特にこのRaptoreumのマイニングに強いのが大容量のキャッシュを持つCPUのようです。

値動き次第ではChiaコインの恐怖再来の可能性も。でも値崩れを待つのも手かも

Raptoreum(RTM)については取引可能な取引所は非常に少なく、俗にいう草コイン(英語で言うShit Coin)の域を出ないものになっていますが、取引価格が9月中旬までは$0.001程度でしたが、11月時点では$0.02と約20倍に暴騰しています。これに伴って、マイニングを行う事で採算がある程度見込める仮想通貨になりつつあるのですが、特に大容量L3キャッシュを搭載したRyzen シリーズCPUでのマイニングが有利な仮想通貨になっているようです。

マイニング性能についてはRyzen 9 3900では4600H/s、Ryzen 9 5950Xでは6800H/sとなっていますが、最新鋭のIntel Core i9-12900Kの3700H/sとなっておりRyzen CPUでのマイニングが最適な事が伺えます。

利益についてはRyzen 9 5950Xでは1日に205RTMがマイニング可能で、利益としては1RTM=$0.022とすると1日約4.16ドル(約470円)、Ryzen 9 5900Xについては1日で172RTM、約3.43ドル(約390円)の利益を得る事が可能となっています。

電気代にもよりますが、Ryzen 9 5950X(9万円)やRyzen 9 5900X(7万円)の投資コストをペイするには大体230日前後必要となっており滅茶苦茶良いという訳ではありません。

今後Raptoreumの取引価格が値上がりするまたは、Binanceなど大手の取引所への上場が噂されるなど大きな期待がかかるような事が起きればRyzen CPUを使ってマイニングする人口が一気に増え、Ryzen CPUが品薄になる可能性があります。

仮想通貨『Chia』が上場に成功した場合、SSDやHDDも品薄へ!? (gazlog.com)

実際に、Chia Coinと呼ばれる草コインが値上がりした際にはマイニングに必要なSSDや大容量HDDが一気に品薄となる事態が起きていました。

しかし、このChia Coinについては一種のバブルのような状態になっていたため、Chia Coinの取引価格が一時は18万円程度を記録しましたが、そこからは右肩下がりに下落し、そうするとマイニングで収益を上げられなくなったことから買い占められたSSDや大容量HDDを手放す人が多く一種の投げ売り状態となっていました。

Chiaで使われた中古HDDやSSDが投げ売り中。HDD価格は3分の1に

そのため、もしRyzenシリーズCPUなどを可能な限り安くで手に入れないという人にとってはこの仮想通貨の動き次第では破格の価格でCPUを手に入れられるチャンスがあるかもしれません。一方で、近い内にRyzenシリーズCPUでPCを組みたいという方にとってはRaptoreumの取引価格次第ではRyzen CPUが全く手に入らないなど最悪な時期が一時的に来るかもしれません。

 

このRaptoreumの動きについてはChia Coinに似たようにRaptoreumの取引価格が上がればRyzen CPUなどが急いでこの草コインをマイニングしようと躍起になる人が現れ、一時的に品薄になる可能性が高いです。ただ、この行動は暴騰している小型株を買うのと等しい行動ですので、取引価格が上がっているからと皮算用でどのぐらい利益が得られると考えない方が良いです。

Chia Coinでは5万円程度する16TB HDDなどが在庫切れになるほど売れていましたが、結局多くのマイナーが参入した事でマイニング難易度が上がり、思うようにマイニングが出来ない中で仮想通貨自体の価格も下がった事から恐らく新規ハードウェアに投資をした多くの人は損失を出したと考えられます。

ただ、もしこのRaptoreumに興味があるのであれば、最初は既に持っているハードウェアでマイニングを行い難易度がどのぐらいの上昇率かなど冷静に確認をしてから新規ハードウェアに投資するなどあまり急いで事を決めない事をお勧めします。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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