報告が後を絶たないGeForce RTX 5090のトラブル
NVIDIAのフラッグシップであるGeForce RTX 5090は、CUDAコア21,760基、512-bitバスで接続されたGDDR7により、帯域幅は約1.8TB/sに迫るというモンスタースペックのグラフィックスカードです。一方で消費電力も575Wと非常に大きく、この影響か、電源供給に用いる12V-2x6コネクタの溶損が月に1件程度は報告されています。加えて、最近ではVRMの発火といった深刻な不具合も散発。そうした中、今回はRTX 5090に搭載されたコンデンサの破裂事例が、海外のRedditで新たに報告されました。
動画編集中にコンデンサが破裂
RedditユーザーのRoboDogRush氏によると、PNY製GeForce RTX 5090 ARGB OCを備えたPCで動画編集を行っている最中に「隣で爆竹が爆発したかのような」破裂音がPCから聞こえたとのことです。この直後にPCはブラックアウトし、PCの中からは火花と煙が発生し、そのあとは部屋の中に電子部品が焦げたような異様な臭いで満たされたと報告しています。

そして、PC内部を確認するとRTX 5090の12V-2x6コネクタ付近のコンデンサが破裂していたとのことです。また、このコンデンサ破裂はかなりの威力だったのか、隣接するアルミ製ヒートシンクのフィンを曲げてしまうほどの凄まじい物だったようです。ただ、報告として多発している12V-2x6コネクター自体は正常で、コンデンサのみが破損したと言う状況のようです。
原因は不明。延長保証に入るのが確実?
今回の事故は、これまでのコネクタ問題とは異なり、グラフィックスカード基板上の電子部品そのものが原因とみられます。NVIDIAが供給するのはGPUチップとVRAMに限られるため、コンデンサの選定や基板設計の責任はAIB各社にあり、この事例ではPNY側の領域と考えられます。
現時点で破裂の原因は不明ですが、製造上の不具合や設計上の問題の可能性がReddit上で指摘されています。特に、破裂したコンデンサがヒートシンクに直接接触していた点から、熱伝導による過熱で早期故障につながった可能性も示唆されています。最終的な原因は、RMA後の調査によって明らかになる見込みです。
また、GeForce RTX 5090ではコネクタ関連の不具合が目立つ一方で、カード本体が致命的な故障に至るケースも存在します。最近ではVRM回路が燃え上がり、グラフィックスカードに加えてマザーボードやSSD、PCケースまで損傷する事例も報告されています。
グラフィックスカードは工業製品である以上、製造上の不具合を完全に排除するのは難しいものです。ただし、RTX 5090のように消費電力が大きい製品では、小さな不具合でも致命的な故障につながるリスクが高まります。購入を検討している場合は、可能な限り保証期間の長いモデルを選ぶなど、自己防衛を意識するのが賢明と言えるでしょう。
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