NVIDIA GeForce RTX 5090やRTX 5080はPCIe Gen 5対応だが必須ではない。マザボの買い替えまでは不要
NVIDIAが2025年1月以降に発売を予定していると言われている次世代グラフィックカードのGeForce RTX 5000シリーズではハイエンドモデルにあたるGeForce RTX 5090とRTX 5080は最新鋭のPCI Express規格であるPCIe Gen 5.0に対応することがリークで明らかになっています。この件について海外の一部サイトではPCIe Gen 5対応マザーボードへの買い替えが必須と言う書かれ方がされているようですが、現行のGeForce RTX 4090でPCIe世代やレーン数毎のゲーミング性能を見ると、少なくともゲーミング用途においてはPCIe Gen 5にまで対応させる必要が無いと言えそうです。
PCIe規格は世代が新しくても、後方互換性を有しているためPCIe Gen 5対応グラフィックカードをPCIe Gen 4までしか対応しないマザーボードで使っても最新規格で定められている転送速度は出せませんが、動作自体はするようになっています。そのため、GeForce RTX 5090やRTX 5080を買った際に互換性のためにPCIe Gen 5対応マザーボードに買い替える必要は一切ありません。
パフォーマンスについて気になる人も多いと言えそうですが、少なくともゲーミング用途であればこちらもPCIe Gen 4でも大きな影響はないと言えます。
登場年 | 2010年 | 2017年 | 2019年 |
---|---|---|---|
バージョン | PCIe 3.0 | PCIe 4.0 | PCIe 5.0 |
x1 | 1GB/s | 2GB/s | 4GB/s |
x4 | 4GB/s | 8GB/s | 16GB/s |
x8 | 8GB/s | 16GB/s | 32GB/s |
x16 | 16GB/s | 32GB/s | 64GB/s |
PCIe規格はバージョンが進む毎に転送速度が2倍に増えており、PCIe Gen 4でグラフィックカードで一般的な16レーン動作で32 GB/sの転送速度を持っていますが、PCIe Gen 5になると2倍の64 GB/sになります。
GeForce RTX 4090はPCIe Gen4 x8相当の帯域幅を利用。PCIe Gen5は次世代でも不要?
転送速度が2倍違うということで、性能に大きな影響が出るように感じられそうですが、現行のGeForce RTX 4090で海外のTechPowerUPの検証によると、PCIe Gen 4 x16 (32GB/s)で動作させていたRTX 4090に対して、PCIe Gen 3 x16 (16GB/s)動作でも性能は4K解像度でも2%減少に留まっていることが明らかになっています。そのため、RTX 5090やRTX 5080においても同様にPCIe Gen 4で利用してもPCIe Gen 5に対して誤差レベルの性能差しか見られない可能性が高いと言えそうです。
それであればなぜPCIe Gen 5をNVIDIAがGeForce RTX 5090やRTX 5080で採用するかと言うと、特にRTX 5090ではAI用途での活用を視野に入れたモデルになると見られており、このような用途では学習データの読み書きなどでPCIe経由の転送が非常に多くなるため、PCIe Gen 5の転送速度をフルに活かせると言えます。
また、ほかにはPCIe Gen 5は転送速度が高速であるため例えばPCIe Gen 5をx8レーンで利用し、残った8レーンはNVMe SSDなど他の用途に使えるようにすると言った利便性の向上や、単純にPCIe Gen 5対応と言うことを謳うためのマーケティング的な側面もあると言えます。
ただ、ほぼ確実に言えるのがGeForce RTX 5090やRTX 5080をゲーミング用途で購入を検討している場合はPCIe Gen 5が無くてもゲーミング性能はほとんど落ちないため、マザーボードなどをPCIe Gen 5化するための費用はメモリ容量の追加やGeForce RTX 6000シリーズを買うために貯金しておいた方がいいと言えそうです。
Will PCIe 5.0 be mandatory for Nvidia’s RTX 5090? | Overclock3d
https://overclock3d.net/news/gpu-displays/will-pcie-5-0-be-mandatory-for-nvidias-rtx-5090/
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