NVIDIAがGeForce RTX 4090を減産しH100 GPU生産に割り当て。中国への輸出規制前に売り抜けるため?

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NVIDIAではAda Lovelaceアーキテクチャーを採用した最上位モデルのGeForce RTX 4090を2022年10月12日に発売しましたが、30万円近い価格にも関わらず初回在庫はほぼすべて売り切れ、入荷もあまり行われていない様子ですが、どうやらNVIDIAはこのRTX 4090を減産し、産業向けGPUであるHopper H100などの増産を行っている可能性があるようです。

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在庫切れが相次ぐNVIDIA GeForce RTX 4090

NVIDIA GeForce RTX 4090は2022年10月12日に発売されたNVIDIAの最新鋭かつ最上位GPUとなっており、CUDAコアは16384コアで動作クロックはベースが2235 MHz、ブースト時が2520 MHz、VRMは21.2Gbpsで動作するGDDR6Xが24GB、バス幅384-bitという仕様になっています。非常にハイスペックな仕様であることから価格は日本円で税込298,000円から販売されます。

この非常に高い価格でありますが、性能も高い事から発売日にはほぼすべてのRTX 4090については売り切れとなり、需要に対して供給が追いついて居ない様子です。しかし、NVIDIAではこの事態を更に悪化させるようにRTX 4090の減産を行い代わりに産業用GPUであるHopper H100やAmpere A100 GPUの生産にTSMCのキャパシティーを割り当てる可能性が出ているようです。

ゲーミング向けGPUから産業用GPUの供給を重視。中国への輸出規制前に可能な限り供給しておきたい?

NVIDIA focuses on H100 graphics cards The news said that the RTX 4090 is out of stock, and the price will rise until next year – fast technology – technology changes the future (mydrivers.com)

GeForce RTX 4090については非常に高い販売価格である一方で、性能もRTX 3090を大きく上回る事から初回在庫については北米や欧州、日本では売り切れそれ以降の入荷については不明な状態となっています。

そのため、一部の国などではRTX 4090の販売価格がジワジワと高騰してきており、中国に関しては米ドルで3000ドル、日本円で45万円と言う価格で販売される例もあるようですがこのRTX 4090の品薄に関して中国のテック系サイト、MyDriversが独自ソースよりNVIDIAがRTX 4090を減産し、代わりに産業用GPUであるHopper H100やAmpere A100の増産を行っているとの事です。

このHopper H100とAmpere A100増産の理由としては今後執行される中国向けの輸出規制が絡んでいるとの事です。

アメリカ政府は安全保障上の問題があるとして、中国向けに高性能な半導体の輸出を禁止する事を決定しました。そのため、NVIDIAは最大顧客である中国ユーザーを失う事から株価が大きく下がり、決算への悪影響が出ると予測が出ていますが、この輸出規制は即時執行ではなく過渡期間が存在するようで、Ampere A100に関しては2023年3月1日まで、Hopper H100は香港向けに2023年9月1日まで輸出が可能となっていますが、これ以降の販売は絶望的と言えます。

そのため、NVIDIAではHopper H100やRTX 4090の製造が行われているTSMC 5nmのキャパシティーについては輸出規制が執行される2023年9月1日までに出来る限り多くのHopper H100 GPUの生産に割り当てる見込みで、必然的に同じTSMC 5nmで製造されるRTX 4090については減産が行われてしまうようです。

なお、Ampere A100についてはTSMC 7nmが採用されており、RTX 3000シリーズはSamsungの8nmを採用しているため影響は受けないと見られています。

 

アメリカが発表した中国への高性能半導体の輸出規制はNVIDIAの経営に影響を与える事は確実で、この規制が発表された際にはNVIDIA株は一時的に5.1%も急落してしまいました。しかし、NVIDIAとしてはまだHopper H100やAmpere A100を売れる時間は残されているため、急いで注文をかき集め、2023年9月1日の期限までに可能な限り多くの製品を納品して売上高を確保したいという意図が見えます。

特にゲーミング向けGPUについてはインフレや需要の先食いなどによって2022年や2023年内の売上高はあまり伸びないと見られており、NVIDIAにとってAmpere A100やHopper H100のような高価なGPUの重要性は増しているため、RTX 4090の減産を行い、Hopper H100の増産を行うのは戦略としては正しいと言えそうです。

ただ、このHopper H100増産が行われると必然的にTSMC 5nmで製造される製品は影響を受けると見られており、RTX 4090をはじめ、今後発売が予定されているRTX 4080 16GBについては供給が少なくなり価格の下落ペースは非常に遅くなると見られています。また、未登場のRTX 4070やそれ以降の製品について登場が2023年中旬などかなり遅れる可能性は出てきそうですのでRTX 4090やRTX 4080 16GBなどの購入を考えている人はあまり躊躇しているとまた在庫が無いという状況に陥るかもしれません・・・

 

 

 

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 目先の利益最優先の、何時もの革ジャンで安心した
    やっぱりゲーマーの事なんて全く考えて無いよね

    リサポンのRDNA3に期待してるけど
    レイトレ性能3倍位に成らないかしら

  • 中国での核開発に使われていますから、今のうちに売り抜けたいんでしょうね。
    アメリカからの印象は悪くなりそうです。

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