NVIDIAでは2022年中に次世代GPUであるAda Lovelaceアーキテクチャーを搭載するGeForce RTX 4000シリーズを発売予定としていますが、この発売日を巡って最初のリークでは7月~8月頃発売と言われていましたが、その後は9月~10月、そして今回は12月にまで延期されるという話が出てきたようです。そして、その原因はGPU需要の消失と価格下落によるもののようです。
発売が遅れる見込みのGeForce RTX 4000シリーズ
NVIDIA GeForce RTX 40 Series Could Be Delayed Due to Flood of Used RTX 30 Series GPUs | TechPowerUp
NVIDIAでは2020年9月2日にGeForce RTX 3080などAmpereアーキテクチャーを採用したRTX 3000シリーズの発表を行いましたが、その後継モデルであるAda Lovelaceアーキテクチャーを搭載するGeForce RTX 4000シリーズが2022年下半期に発表される事がNVIDIAが示したロードマップで開示されています。
そんなGeForce RTX 4000シリーズですが、6月1日のリークでは8月にRTX 4090、9月にRTX 4080、10月にRTX 4070が発売されると言われていました。
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その後にRTX 4090やRTX 4080、RTX 4070が2ヵ月後退しRTX 4090は10月、RTX 4080、RTX 4070は11月、12月に発売予定と言うリークが出現しましたが、早くても11月頃にRTX 4090が発売され、それ以外のモデルは更に延期される可能性がMoore’s Law is Deadからリーク情報が出現しています。
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NVIDIAが供給しすぎたGPUが市場で溢れかえっている模様
Moore’s Law is DeadのTom氏によると、最近中古のNVIDIA GeForce RTX 3090を800ドルで購入したそうですが、そのグラフィックスカードの出所をシリアル番号を基に追って見ると元々は2021年末頃に2800ドルで購入されたものだったようで、出品者に連絡してみると『とにかく早くGPUの在庫を処分してしまいたい』として2800ドルで仕入れたものを800ドルと言うバーゲンプライスで出品したとの事です。
このように値下がりの激しいGPU市場ですが、NVIDIAと関係を持っている代理店や量販店からMoore’s Law is Deadが在庫状況に関する情報を入手したとの事です。
基本的に、GPUの在庫は積みあがっているようで、Moore’s Law is Deadでは4つのソースから情報を入手したようです。
1つ目のソースではNVIDIA側から数万枚のグラフィックスカードを仕入れる事となったようですが、元々ここまでのグラフィックスカードに対する需要は無く、仕入れ価格以上で販売できるかどうか自信が全くない状況との事です。
2つ目のソースでは約200~300ドル(2.7万から4万円)で仕入れたGTX 1600シリーズなどローエンドのTuringグラフィックスカードが倉庫に積みあがっているようで、販売する事に躍起になっている。
3つ目のソースはNVIDIAがTSMCに対して生産枠のキャンセルを打診しているというDigitimesの報道は正しく、本来であればRTX 4000シリーズは10月頃に量産が開始される見込みでしたが、12月まで生産が延期される可能性があるとの事です。
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4つ目のソースもGeForce RTX 4000シリーズについては11月まで発表および発売がされない可能性が高いという情報を得ているとの事です。
GPUの在庫が積みあがる要因はインフレ、仮想通貨、ロシア
NVIDIA製グラフィックスカードの在庫については悲惨な状況になっていますが、この大きな要因としては3つ挙げられているようです。
1つ目がアメリカを筆頭に世界各国で深刻化しているインフレで、アメリカでは生活必需品であるガソリンや食料、エネルギー価格が大幅上昇しており、ぜいたく品であるグラフィックスカードなどにお金を使う人が大きく減ったとの事です。
2つ目が仮想通貨マイニングの崩壊で、今まで大量のグラフィックスカードを買い付けていたマイナー達の需要が消滅した事や、彼らが持っているグラフィックスカードを中古市場へ流し始めた事。
そして3つ目がロシアによるウクライナ侵攻、そしてそれに伴う経済制裁で現在、在庫として積みあがっているグラフィックスカードの一部は本来であればロシア向けに出荷されるものも多くあったとの事ですが経済制裁の影響で出荷が出来ずそれらがアメリカや欧州、日本などに流れ着いてきているようです。
RTX 4000シリーズのミドルレンジは2023年中頃まで出ない可能性
NVIDIAのライバルであるAMDではRTX 4000シリーズと競合するRadeon RX 7000シリーズについては在庫が大きく積みあがるなどの問題は無く、発売を予定通り2022年10月~12月中に行うとされています。
そのため、NVIDIAとしては在庫が大量にあるからと言って来年までRTX 4090やRTX 4080の延期を行う事は出来ないとMoore’s Law is Deadでは語られています。
ただ、NVIDIAでは最も人気が高いモデルであるミドルレンジのRTX 4060などについては2023年6月~7月になっても発売がされない可能性があり、もし中古のRTX 3080が5万円を下回るような価格で販売されていればそれらを手に入れてしまった方が良いとアドバイスをしています。
似たようなアドバイスはテック系YoutuberのJayzTwoCentsでも語られており、NVIDIAでは恐らく今後RTX 3000シリーズの在庫を減らす為にRTX 3000シリーズの生産は停止し、RTX 4000シリーズについてもあまり市場に多く供給しない事が予測されるため、ミドルレンジクラスのGPUが欲しいのであれば安くなっている今のうちに買う事を推奨しています。
This is terrible GPU news… I’m actually mad if this is true… – YouTube
NVIDIAではグラフィックスカードが供給不足になった事に伴い、AMDからのシェアを奪い多くの利益を得るためにGPUの供給量を大きく増やしていましたが、結果的にこれらが裏目に出てしまったようです。特にマイニングに対する対策を打つのが遅かった事もあり、既に市場には大量の中古のRTX 3080などが出回っており、新品グラフィックスカードの売れ行きに大きな悪影響を与えているようです。
RTX 4000シリーズについてもNVIDIAがTSMCの生産枠キャンセルを要望する辺り、相当大きな生産が可能なようにしていたと見られますが、RTX 3000シリーズやGTX 1600シリーズの在庫が大量にある状況下でどのような対応をするのか注目です。
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